バッテリーの電圧を失ってラリー・アルゼンチンをリタイアすることになったトヨタGAZOOレーシングWRTのオイット・タナクは、選手権のためにもチームが問題を早急に解決することを望んでいる。
3位で土曜日を迎えたタナクは、朝の最初のステージで総合2位にポジションアップ。その後、連続で2つのベストタイムを刻み首位との差を6.4秒に縮めることになった。タナクの連続ベストタイムにより、ヤリスWRCは2017年のWRCデビュー以来、通算200回目となるベストタイムを記録。現行規定のWRカーの中で、最初に200回という記録に到達したクルマになった。
こうしたパフォーマンスはタナクの午後のループでの躍進を大きく期待させるものだったが、タナクはSS14をスタートする時点で、バッテリーの電圧が低下、その状態でステージをスタートしたが、途中で電圧を失ってデイリタイアをすることになった。
トヨタはラリー・メキシコでもヤリ-マティ・ラトバラがオルタネータの問題からバッテリーの電圧を失ってリタイアとなっており、今回、タナクが連続して似たような症状に見舞われたことで、二つの選手権にとっても痛恨の結果を招くことになった。
タナクは選手権のためにも今回勝利できるチャンスを失った原因をチームが解決してくれることを心から願っている。
「朝は良いスタートを切ることができたため、午後のステージでは思いきり攻めて走ろうと楽しみにしていたんだ。けれど、最初のステージで既にバッテリーの電圧低下に気づき、2つ目のステージでリタイアを余儀なくされた。もちろんとても残念だよ。パフォーマンスに関しては、今やどんなラリーでも勝てるレベルにあると思うが、やらなければならないことも残っている。まだシーズンは先が長いからね」
トヨタGAZOOレーシングWRTのチーム代表を務めるトミ・マキネンは、現在トラブルの原因を調査中だと語った。
「午後のステージでクルマが止まるまで、オイットは素晴らしい速さを見せてくれた。現在トラブルの原因を調査中だが、ステージのスタートを前にバッテリーの電圧が下がってしまったことは分かっており、オルタネータかバッテリーに問題が起こったのではないかと疑っている。オイットが順位を下げた今、我々はクリスの表彰台フィニッシュに期待をしている。明日はきっと、上りの難しい山岳ステージで接戦が繰り広げられるはずだ」
タナクは総合9位で最終日にリスタートする予定だ。