WRC2018/04/07

ラッピが高速ステージでヤリスの本領発揮

(c)Toyota

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 ツール・ド・コルスのデイ1がコルシカ島のバスティアを中心に行なわれ、トヨタGAZOO レーシング・ワールドラリーチームのオット・タナクが4位、エサペッカ・ラッピが5位に、ヤリ-マティ・ラトバラが8位につけることになった。ツイスティなステージではトヨタ勢は遅れをとるシーンもあったが、高速ステージではコルシカ初参戦のラッピがベストタイムを奪うなど、ヤリスの本領を発揮した。

 バスティアの空は青く澄み渡り、朝から強い日差しが照りつけたことで路面は大部分がドライだったが、49kmという長いオープニングSSはところどころ濡れているところもあり、トリッキーな路面コンディションとなった。このツイスティなステージではタナクが3番手タイムを奪うも、ラッピは9番手、ラトバラは10番手とそろってタイムを落とすことになったが、続く13kmのステージではラッピが2番手タイムをマーク、彼は午後のループでもこのステージでベストタイムを記録しており、ハイスピードなターマックステージでヤリスが十分にトップを争うことができる速さもつことを証明した。

 チーム代表のトミ・マキネンは、ラッピのベストタイムなどポジティブな形で1日を終えることができたことを喜んだものの、まだやるべきことは多いと語っている。

「今日はあまり良いスタートではなかったが、非常にポジティブな形で1日を終えることができた。とくに最終ステージではこのラリーでの経験が十分ではないにもかかわらずエサペッカがベストタイムを記録するなど、素晴らしい内容だった。ヤリ-マティも調子を上げてきているようだし、オットは表彰台を狙える良い位置につけている。明日はまた新たな1日となるので、さらにハードワークを続ける。まだまだ改善できる事はたくさんあるよ」

 ヤリスでの初のターマック戦にもかかわらずトヨタ勢最上位の4位につけたタナクは、3位のクリス・ミークと5.5秒差、2位のティエリー・ヌーヴィルとは10.6秒差と、明日以降十分に表彰台を狙える位置につけている。

「このクルマで完全なターマックのラリーに出場するのは今回が初めてだったので今日は多くの事を学んだが、全体的にはとても良いフィーリングだったよ。午前中の時点でクルマのハンドリングは良く既に十分ポジティブな感覚を得ていたが、デイサービスでいくつかセッティングを変更したところ、フィーリングはさらに良い方向に向かった。表彰台争いをするためにどのような改善を施すべきなのか、明日に向けてはいくつかアイディアがある。2位、3位のドライバーとのタイム差は少なく手が届く位置にいる。明日はベストを尽くすよ」

 ラトバラはクルマのセッティングが合わず午前中は少し苦戦したが、デイサービスでセッティングを変更した結果フィーリングが好転。デイ1最後のSS4で2番手タイムを刻むなど復調を果たし、良い形で1日を終えている。

「午前中は間違った方向にセットアップを進めてしまい、自信を失いあまり上手く走ることができなかったね。しかし、デイサービスでセッティングを変更したところ、ブレーキのフィーリングが向上し、リヤの挙動もつかみやすくなった。最後のステージが始まる前にさらなる変更を施したところ自信が一層増し、自分自身のドライビングを改善することができた。ドライ路面でのセットアップはかなり良くなったし、明日からのステージに期待しているよ。ドライビングに集中し、安定した走りを続け今日最後のステージで示した速さを維持できれば、我々のすぐ上にいるドライバー達と良い戦いができるはずだ」

 ラッピは、ツイスティなステージよりハイスピードのステージのほうがヤリスには合っていると印象を述べている

「ロングステージはツール・ド・コルスらしいツイスティなステージだが、そこでかなりタイムを失ってしまった。しかし、短いステージは速度域が高く、僕らのクルマに合っていたと思う。金曜日の最終ステージではベストタイムを記録できたし、とてもポジティブな形で1日を終えることができたね。あとはツイスティなコースでも強さを発揮できればさらに良いが、明日はクルマの改善を試してみるつもりだ。まずは5位を守ることが目標だが、まだまだ先は長く、いろいろな可能性があるはずだ」