WRC2017/03/01

ラトバラ、オジエからのプレッシャーを感じていた

(c)Toyota

 ヤリ-マティ・ラトバラは、昨年、フォルクスワーゲンではチームメイトのセバスチャン・オジエを倒すためのプレッシャーを感じていたことを認めた。

 今季トヨタに移籍したラトバラは、開幕戦ラリー・モンテカルロで2位に入り、前戦のラリー・スウェーデンで優勝を飾り、昨年までの不振が信じられないほどの好調ぶりを維持して、現在、ドライバー選手権をリードしている。

 2013年、2014年、2015年とチャンピオンシップにおいて連続してオジエに敗れたラトバラは、2016年こそは自身のタイトルを獲得しようと心に決めていたにもかかわらず、再びオジエの陰で沈むシーズンとなったことで、モチベーションと自信を喪失していたことを明かしている。

 WRC公式サイトのポッドキャストでベックス・ウィリアムズのインタビューに答えたラトバラは、オジエの成績に匹敵できなかったことから自身のドライビングへのアプローチを大幅に変更することに繋がったが、結局はそれが裏目に出てしまったと語った。

「去年は、今こそ勝利に挑戦する年だと思った」とラトバラは語った。

「しかし、開幕直後に悪いレースを2回してしまった。それからメキシコで勝利して、良い方向に進み始めたのに、また2回程リタイアしてしまった。春になる頃には、セバスチャンのような素晴らしいドライバーを持つチームにおいては、僕はすでに可能性がなくなったことに気づいた。もう僕がチャンピオンシップに勝つことはできなかった。僕は彼がどれほど強いか分かっていた」

「僕はそれまでもチャンピオンシップを(オジエの後ろで)2位や3位で終えていた。そのため、そのことはショックで、僕はモチベーションを失っていった。それが事の真相だ。すでに僕には単一の勝利以上のことは望むことが出来ず、それは僕が欲しかったものではなかった。僕はチャンピオンシップが欲しかった。セブはすでに3年も勝っていたんだ。僕は悪いラリーをしてはいけなかったが、そうなってしまった」

 ラトバラは、オジエの成功に置いて行かれまいと、ポロRのセットアップについて極端なアプローチを試みたが、結果的にはそれが失敗を招いたと告白した。

「同じマシンに乗っているのだから、セブと全く同じセットアップをしようと思った。マシンが全く同じならば、違いはドライビングだけになると思ったんだ」とラトバラは説明した。

「しかし、どのドライバーも、自身のスタイルとセットアップには多少の違いがある。だからセバスチャンのようにドライブし、セバスチャンのようにブレーキをかけようとすることで、僕は自分のアイデンティティと自分のスタイルから離れてしまったんだ。4ヶ月後、僕はさらに転落していた。彼と同じ方法ですることは、無理だった」

「僕にとっての唯一の方法は、誰かがやっていることをコピーすることではなく、僕がこれまでに身に着けてきた方法、そして自信を持てる方法で、ドライブすることだ。たとえその相手が世界チャンピオンであっても、僕は自分のスタイルを大切にしなくてはならない」