ウェールズ・ラリーGBのWRC2プロ選手権では、シュコダ・モータースポーツのカッレ・ロヴァンペラ(シュコダ・ファビアR5エボ)が5分近い余裕のリードを奪って土曜日のレグを終え、シリーズタイトルの目前まで迫ることとなった。
金曜日の終盤にパンクによって遅れ、カテゴリーのリードをチームメイトのヤン・コペツキ(シュコダ・ファビアR5エボ)に譲る形となったものの、ロヴァンペラは土曜日のオープニングステージで、早くもトップの座を奪い返すことに成功している。
ロヴァンペラのアドバンテージは、コペツキがまずパンクを喫し、その後クルマを横転させるなどのトラブルが相次いだことでさらに増し、最終的に4分38秒7差にまで広がっている。最終日、このまま勝利すれば王座も決定することになる。
コペツキは彼の度重なるドラマにも耐えながら2位でスランディドノに帰還している。
いっぽう、ラリー2でリスタートしたヘイデン・パッドン(フォード・フィエスタMk2)は速さをみせて3位につけていたが、1本のスペアのみで2度のパンクに見舞われたため、最終の1つ前のダイフィのステージで3位からリタイアしている。
また、ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタMk2)はSS11でバンクに乗り上げてサスペンションを壊してリタイアとなり、前日にオイル漏れでリタイアとなったマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 R5)はエンジン破損の恐れがあることからリスタートできなかった。
一方のWRC2カテゴリーでは、元世界王者のペター・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が時計の針を戻すように、ピエール-ルイ・ルベー(シュコダ・ファビアR5エボ)との見応えあるバトルを演じ、リードを奪っている。
ラリーGBで過去4度勝利し、華麗な経歴を経てきた彼にとっての最後となるラリーで、ペター・ソルベルグはルベーと3度首位を交代しながら、12.5秒のアドバンテージをキープしてフィニッシュしている。
ルベーにとっては、最終的に2位でのフィニッシュであったとしても、残り2戦で選手権のトップまで上がることになる。
ルベーの2分30秒後方の3位には同じフランスのアドリアン・フォーモウ(フォード・フィエスタR5)が入っている。4位のマルコ・ブラチア(シュコダ・ファビアR5)はタイムコントロールへの遅着に対する20秒のペナルティによって3位のポジションから外れている。ファビオ・アンドルフィ(シュコダ・ファビアR5エボ)とアルベルト・ヘラー(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)がそれぞれ5位、6位となっている。
選手権をリードするカイエタン・カイエタノビッチ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)は、ギヤボックスのトラブルによって2日間で2度目のリタイアとなっている。
ペターの息子、オリヴァー・ソルベルグは前日の早々の離脱から復帰を果たすと、彼は初めてとなるWRCイベントで、この日最初の2つのステージで最速タイムを奪ってみせるという衝撃的な走りを披露している。しかし、続く3つ目のステージでテクニカルトラブルのためにクルマをとめている。
また、TGRラリーチャレンジプログラムの勝田貴元は(フォード・フィエスタR5 Mk2)はこのGBにはWRC2にノミネートせずに、経験を積むための参戦となっているが、ウェールズの難しいコンディションのなかでRC2クラスの6位につけている。