FIAワールドモータースポーツカウンシル(WMSC)は、19日に史上初めてe-カンファレンスとして行われたが、2020年の世界ラリー選手権のカレンダーを決めることができないまま閉幕を迎えた。
新型コロナウイルスの世界的な流行により、世界ラリー選手権は3月中旬から中断しており、すでにポルトガル、ケニア、フィンランド、ニュージーランド、英国の5ラウンドがキャンセルとなっている。FIAとWRCプロモーターは、世界ラリー選手権のカレンダーをバックアップすべくヨーロッパの主要イベントであるベルギーのイープル・ラリー、ラトビアのラリー・リエパーヤ、ラリー・エストニアの3ラウンドを急遽、WRCとして昇格させた新しいカレンダーについてWMSCでの承認を求めると見られていた。
しかし、WMSCは、COVID-19パンデミックに関する世界的な状況は刻々と変化を続けているとして、2020年世界ラリー選手権をどこでどのように再開するかという複雑な問題について議論を交わすことなく閉幕してしまった。
いまのところ今季のWRCカレンダーには、トルコ、ドイツ、日本が残され、延期となったサルディニアとアルゼンチンを含めれば5ラウンドが残った状況だ。しかし、都市の閉鎖が続くトルコは沈黙を守り、ドイツは10月末まで大規模イベントを制限することを政府が決定するなど、夏を過ぎたあとのウイルスの第二波への世界的な不安もあって先行きを見通すのは難しい状況が続いている。
2020年のカレンダー決定は先送りとなったが、WMSCでは2021年のカレンダーの提案が承認され、9ラウンドが明らかにされている。すでに昨年のWMSCで承認されたスウェーデン、ケニア、スペイン、イタリア、日本、オーストラリア(新しい開催地が条件)の6ラウンドに加え、今回新たにモンテカルロ、フィンランド、ポルトガルが決定している。開催日程と残りのイベントについては今後の発表となる。
FIA関係者によれば、2020年の世界ラリー選手権カレンダーの改訂版の発表は6月末になるという。