TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、7月17日から20日にかけて開催されるラリー・エストニアに、エルフィン・エヴァンス/スコット・マーティン、カッレ・ロヴァンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、勝田貴元/アーロン・ジョンストンに、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネンと、今回がTGR-WRTでの初戦となるオリヴァー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソンを加えた、合計5台のGRヤリスRally1で参戦し、今シーズン7回目の優勝を目指す。
TGR-WRTは全14戦で行われる2025年WRCの前半戦で、開幕から6連勝を達成、第7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャでは連勝記録こそ途絶えたもののセバスチャン・オジエが総合2位に入り、マニュファクチャラー選手権での首位を堅持している。また、グラベルラリーでは不利となる出走順トップで直近の3戦に挑みながらも、好成績を残し続けたエヴァンスが、ドライバー選手権トップの座を守っている。
そして迎えるシーズン後半戦、最初のイベントは、バルト3国の一国であるエストニアで開催される、第8戦ラリー・エストニア。2年ぶりにWRCのカレンダーに復帰したこのラリーは、続く第9戦ラリー・フィンランドと共にハイスピード・グラベルラリーに分類される。第5戦から第7戦までの3戦は非常に荒れた路面も多く走行するラフ・グラベルラリーであり、同じグラベルラリーであってもキャラクターは大きく異なるため、選手とチームにとっては新たなるチャレンジとなる。
エストニアは全体的に道幅が広く、路面はフラットで、流れるようなコーナーが続く、WRC屈指のハイスピードなラリーとして知られている。また、ジャンプやクレストも多いなどステージはラリー・フィンランドと多くの共通点があるが、エストニアはフィンランドよりもツイスティでテクニカルなセクションが多く、路面はフィンランドよりも全体的に軟らかいため、同じステージを2回目に走行する際は路面が掘れ、深い轍がドライバーたちを苦しめる。
現在ドライバー選手権をリードするエヴァンスは、このラリーでの優勝はないが、2022年には総合2位を獲得。また、ラリー・フィンランドでは2回勝利を手にするなど、高速グラベルラリーを得意としている。2022、2023年の世界王者であるロバンペラにとって、エストニアは2021年にWRC初優勝を達成した記念すべきラリーであり、彼はその後2023年まで3年連続で勝利を重ねている。また、2月のラリー・スウェーデンでエヴァンスに次ぐ総合2位を獲得した勝田は、今回マニュファクチャラーズポイント獲得資格をもってエストニアに出場している。さらに、サポートシリーズのジュニアWRCカテゴリーで2回エストニアを制しているパヤリは、今回初めてGRヤリスRally1でエストニアに挑む。
今シーズンもセレクトしたイベントにのみ出場するオジエはエストニアを欠場するが、スウェーデン人ドライバーのソルベルグが初めてGRヤリスRally1のステアリングを握る。2003年のWRCチャンピオン、ペター・ソルベルグの息子であるオリバーは今シーズン、サポート選手権であるWRC2に、プリントスポーツのGRヤリスRally2で出場。ここまで3回優勝し、現在選手権をリードしている。ソルベルグは本来エストニアにもプリントスポーツのGRヤリスRally2で出場する予定だったが、若く才能あるドライバーにトップカテゴリーで戦うチャンスを提供するという、TGR-WRTの取り組みがFIA(国際自動車連盟)に認められ、エントリーが承認されている。
チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは、ハイスピードな道が舞台となるエストニアとフィンランドはチームのドライバーとマシンに合っていると語った。
「非常にラフで厳しいグラベルラリー3戦を終え、チームとしてはハイスピードな道が舞台となる次のエストニアとフィンランドが楽しみですし、この2戦は我々のドライバーとマシンに合っていると思います。それでも、ここ数戦は接戦が続いているので、勝利を手にするためにはベストを尽くす必要があります。エストニアは、今年の新しいタイヤで走る最初の高速グラベルラリーとなるため、ギリシャ以降、全体のパッケージを最適化するための重要なテストを行ってきました」
また、ラトバラはエストニアでソルベルグにRally1カーをドライブする機会を与えたことをうれしく思うと語っている。
「今シーズンGRヤリスRally2で好成績を残してきたオリヴァー・ソルベルグに、このようなチャンスを提供できることも嬉しく思います。彼にとってはRally1のパフォーマンスを経験する絶好のチャンスですし、我々にとっても彼がステップアップにどう適応するかを確認する機会となります」