WRC2016/06/12

ヌーヴィル、2年ぶりWRC勝利を獲得

(c)Hyundai

(c)VW

 WRC世界ラリー選手権第6戦のラリー・イタリア・サルディニアは12日に最終日を迎え、ヒュンダイ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20 WRC)がヤリ-マティ・ラトバラ(VWポロR WRC)に追撃のチャンスを与えずに逃げ切り、2014年のラリー・ドイッチュランド以来となる2度目の優勝を飾っている。

 最終日は14.06kmのカーラ・フルミーニと6.07kmのサッサリ〜アルジェンティエラの2つのステージを2回ループする4SS/40.26kmという短い一日となる。2位のラトバラに対して16.7秒差をつけて最終日をスタートしたヌーヴィルは前日までの好調な走りをキープ、オープニングステージをベストタイムで発進する。さらに続くSS17でも彼はラトバラに0.2秒差をつけ、朝のループを終えて二人の差は19.4秒へと広がることになった。

 そして2回目のループを迎えたものの、ラトバラは最初の走行でかなりステージのコンディションが悪化したため、もはや追撃を断念、パワーステージのためにタイヤをケアする戦略にスイッチすることになった。ヌーヴィルはSS18を制してラトバラとの差が25秒以上に開いたことで勝利を確信、パワーステージではややペースを落として2年ぶりの勝利を噛みしめるようにたくさんのベルギー国旗を降るファンたちが待ち受けるフィニッシュラインを迎えることになった。

 また、二日間にわたって路面掃除を強いられたために1分以上も引き離されたセバスチャン・オジエ(VWポロR WRC)は、3位を確実なものとするために堅実なペースで最終日に臨むことになった。後続は1分以上も離れているため彼はステージウィンも狙うことなくパワーステージのためにタイヤを温存、その甲斐あってジャンクションで曲がり切ることができずに切り返しをしながらも見事パワーステージを制して、貴重なポイントを獲得、ドライバーズ選手権における彼のリードは64ポイントと大きく広がることになった。

 ヒュンダイ・モータースポーツのダニエル・ソルド(ヒュンダイi20 WRC)はスロットルがスティックする奇妙なトラブルに見舞われながらも4戦連続で4位でフィニッシュ、土曜日にデイリタイアとなったアンドレアス・ミケルセン(VWポロR WRC)が次戦ポーランドでの走行ポジションを有利にするためにパワーステージでもゆっくりと走ったため、ソルドはドライバーズ選手権でも彼を1ポイント抜いて2位に浮上することになった。

 瞬間的な速さをみせながらも高温下でのタイヤの耐久性に苦しんだオット・タナク(フォード・フィエスタRS WRC)が5位。エリック・カミリー(フォード・フィエスタRS WRC)はリヤデフの問題から初日17位に終わったものの、最終日の朝、ヘニング・ソルベルグ(フォード・フィエスタRS WRC)を抜いて6位でフィニッシュ、自身にとって初めてのステージウィンをSS17で獲得している。