WORLDWIDE2016/06/15

ヒギンズ、マン島TT最終アタックは事故影響で中止

(c)Prodrive

 英国ラリー選手権で3度にわたって王者を獲得したマーク・ヒギンズは、先週、プロドライブが製作したスバルで平均速度128.730mph(約207.17km/h)を達成し、自身の持つマン島TTコースのラップレコードを大きく塗り替えた。ヒギンズはさらに先週末に予定された最終アタックで夢の130mph超えが期待されたものの2輪ライダーの事故の影響により中止となった。

 ヒギンズは2011年に19分56.67秒を記録し、2014年の再挑戦ではそれをさらに19分15.88秒まで縮めた。これは平均速度117.51 mph(約189.11km/h)に相当する。これらの記録は、ほぼスタンダードのスバルWRX STIをドライブして達成されたものだ。

 しかし、スバルUSAは今年、プロドライブに究極のWRX STIを製作してほしいという使命を課した。マシンは2008年のWRカーのエンジンと駆動系をベースとし、600bhpと800Nmトルクを生み出すことを可能とするためにより大きなターボが取り付けられ、また、初めて純粋なダンロップスリックで走行した。

 ヒギンズは先々週の4日土曜日に行われた最初のチャレンジで126.971mph(約204.34km/h)を叩き出し、それまでの記録を5km/h以上上回る新記録を達成、さらに彼は6日月曜日に行われた2度目のチャレンジでは土曜日のラップタイムを14秒も更新、平均速度128.730mph(約207.17km/h)の記録を更新した。

 ヒギンズは先週金曜日に3回目の走行を期待していたが、しかし、シニアTTバイクレースでライダーの死亡事故があり、彼の走行する時間が夕闇が迫る時間まで遅れてしまい、さらに雨が近づいていたことから、平均速度130mphへの挑戦は不可能となった。

「3回目の走行が出来なくてショックだよ。僕は130mphを達成できたはずだと思っているし、それが僕の目標だった。しかし、それは実現しなかった」とヒギンズは語った。

「だが僕たちは平均速度125mphを夢見てここに来たことを考えると、僕は2年振りに走った最初のラップでそれを達成したので、かなり満足している。しかし、僕とマシンは間違いなくもっとやれたはずだ」

「だがそうは言っても、金曜日はマン島にとって辛い一日だった。2人のライダーを失うことは悲劇だった。そしてこのような事故があった時には、ある意味、大局的に見る必要があるからね」