WRC2022/08/05

ヒョンデ勢が1-2発進、勝田が3番手

(c)Hyundai

(c)Toyota

(c)M-Sport

　2022年世界ラリー選手権（WRC）第8戦ラリー・フィンランドは、木曜日の夕方にユヴァスキュラ市街地で行われたハルユ・ステージで開幕、ティエリー・ヌーヴィル（ヒョンデi20N Rally1）がトップタイムをマーク、チームメイトのオイット・タナク（ヒョンデi20N Rally1）が1.2秒差の2番手タイムで続き、ヒョンデ・モータースポーツが1-2態勢を築き、トヨタ勢最速の勝田貴元（トヨタGRヤリスRally1）が3番手で続く展開となっている。

　ラリー・フィンランドは木曜日の夕方、オープニングセレモニーに続いてユヴァスキュラの市街地のアスファルトの道路と公園内のグラベルコースで構成された伝統的なハルユ・ステージで開幕を迎える。今年は石畳のセクションや森のセクション、さらに長いアスファルトの道路が追加されており、開幕ステージはコースを2周して走行距離は3.48kmとなる。

　ハルユ・ステージは、明日から始まる高速のフォレストステージとは異なるチャレンジだが、フィンランドにチームのベースを持つトヨタ勢がクリーンなペースを見せたのと対照的に、ヒョンデ勢はいきなり本気モードでラリーをスタートすることになり、ヌーヴィルが1.2秒差でタナクを上回って初日のラリーリーダーとなった。

「スーパースペシャルステージはいつも好きだし、楽しかったけど、明日はまったく別の世界だ」と、ヌーヴィルはトヨタ勢を警戒している。

　彼はこの日の朝のシェイクダウンでは9番手タイムに終わり、トヨタ勢に勝つことは「不可能だと思う」と悲観的に語っていたが、課題となっていた自信を持って走れるような良いセットアップを見つけつつあるかもしれない。「シェイクダウンでいくつかセットアップを変更したので、明日はもっと良いフィーリングになるよう祈っているよ」

　タナクはフィンランドで2度の優勝経験があるが、彼は、トヨタ勢に勝てるかどうかという質問に対して、「ノー！」と答え、この週末に3度目の優勝に挑むという考えをもってないことをあっさりと認めている。「このステージでは、僕たちはクルマと激しく戦っていた。クルマは自分の考えで生きているようだ。一朝一夕にできることではない。僕たちはクルマの中で一生懸命戦っているんだ」

　昨年、ハルユの開幕ステージで勝利してラリーリーダーとなった勝田は今年はハイブリッドのブーストに問題を抱えてその再現はならなかったが、3番手の好ポジションでラリーをスタートすることになった。「ハイブリッドブーストがないんだ。スタートでこんなことになるのはまずいが、なんとかチームに直してもらいたい」

　選手権リーダーのカッレ・ロヴァンペラ（トヨタGRヤリスRally1）はシェイクダウンではトップタイムをマークしたが、勝田から0.1秒遅れの4番手タイムという慎重なスタートを切っている。

「もちろん、（勝ちたい）気持ちも期待もある。とにかくすべてのラリーで勝てるように、自分自身に課しているんだ。状況はどこも同じだが、ここではより多くのサポートがあり、クレイジーな雰囲気になっているね」とロヴァンペラは、プレッシャーをあおるような質問にもリラックスして語っている。

　ロヴァンペラから0.5秒差の5番手には昨年の勝者であるエルフィン・エヴァンス（トヨタGRヤリスRally1）とともに、ヤリ・フットゥネン（フォード・プーマRally1）が同タイムで続いている。WRCのトップカテゴリー初参戦のフットゥネンはMスポーツ・フォード勢では最速タイムでのデビューに、「Rally1カーはスロットルを開けた時にパワーを感じるのはいいものだね。大きなミスをしなかったし、何もぶつけなかったからよかったよ！」とうれしそうに語っていた。

　二人から0.6秒差の7番手には、オリヴァー・ソルベルグ（ヒョンデi20 N Rally1）、ピエール-ルイ・ルーベ（フォード・プーマRally1）、そしてエサペッカ・ラッピ（トヨタGRヤリスRally1）の3人が同じタイムで並んでいる。

　2017年のフィンランドで優勝経験をもつラッピは、木曜日の朝のシェイクダウンでもロヴァンペラと最速タイムを争う速さをみせており、明日以降はトップ争いのメンバーになりそうだ。彼はステージエンドで今年も優勝できるかと聞かれ、いつものように笑いながらであったが、その野心を見せている。「このステージを突破して、明日からそれに向けて走り出すつもりだった。僕は5年間（フィンランド2勝目を）狙ってきたんだ。いつもそうしたいんだ！」

　ラリー・フィンランドの明日の金曜日は、フィンランド出身の伝説的なチャンピオンであるユハ・カンクネンが生まれ育ったラウカー村のループで本格的にスタートする。オープニングステージのラウカーは現地8時（日本時間14時）のスタートが予定されている。