2016年のドライブDMACKフィエスタ・トロフィー開幕戦は、ベルナルド・ソウサが独走勝利を目前にしてクラッシュするという波乱の幕切れとなり、オシアン・プライスが優勝を果たしている。
昨年のマリウス・アーセンやかつてはエルフィン・エヴァンスやクレイグ・ブリーンといった才能を輩出したフィエスタ・トロフィーは、今年もエコブースト1リッター・ターボエンジンを搭載したフォード・フィエスタR2Tのワンメイクによって世界ラリー選手権と併催シリーズとして全5戦として開催される。
開幕戦ラリー・デ・ポルトガルのエントリー・リストに名を連ねた10人のドライバーの中には、アリ・バタネンを父に持つマックス・バタネンやヘニング・ソルベルグの息子で、ペターの甥っ子であるオスカー・ソルベルグのほか、地元ポルトガルからはタイトル獲得を夢見て10年ぶりに2輪駆動マシンにステップダウンしてシーズンに挑むポルトガルのベルナルド・ソウサも参戦してきた。
金曜日の最初のステージからラリーをリードしたのは、昨年のフィエスタ・トロフィーのルーキーオブザイヤーに輝いたイギリスのガス・グリーンスミス。彼は2つのステージを奪って、朝のループを終えてソウサに対して6秒をリードする。しかし、彼は2回目のビアナ・ド・カシュテロで2つのパンクを喫して4分40秒をロス、5位まで後退することになった。
波乱の初日を終えて首位に立ったのはソウサ。オシアン・プライスが41.7秒で続く展開となった。ルーキーのヘニング・ソルベルグはすでにSS2の横転でリタイアとなっており、バタネンも3位につけているものの、エンジンに問題を抱え、首位からはすでに1分36.5秒も遅れている。
ソウサは二日目、朝のループこそタイヤを労るためにペースを落としたものの、午後のループでは2つのトップタイムを奪い、プライスを53.5秒突き放して迎えた最終日も揺るぎない速さをみせて勝利へと突き進んでいたかにみえた。ところが彼は最終ステージでブレーキングポイントを誤って横転、ゴール目前でリタイアとなってしまった。
まさかの開幕戦優勝はプライス、2位には1分45.1秒差でバタネン、16分差の3位には18歳の最年少ルーキー、ニコラ・シアマンが入っている。
2015年のバタネン・タッチ・アワードを受賞して今季のフィエスタ・トロフィーに参戦したイギリスのジョン・アームストロングは、ブーストの問題とパンクによって4位に終わったものの、最終日にベストタイムを奪ったほか、5回のトップ3タイムを出すなど速さをみせていた。
また、グリーンスミスは初日のパンクのあと4位まで浮上したが、二日目にドライブシャフトトラブルに見舞われてリタイアとなっている。