WRC2021/11/21

ブラチアのトラブルでフットゥネンがWRC2をリード

(c)wrc.com/WRC Promoter

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 ACIラリー・モンツァの土曜日、WRC2ではライバルたちがトラブルに見舞われる中、Mスポーツ・フォードから参戦するヤリ・フットゥネン(フォード・フィエスタRally2)がトップに立っている。

 フットゥネンは、金曜日のステージを終えてリードしていたマルコ・ブラチア(シュコダ・ファビアRally2)に次ぐ2位でこの日をスタートしている。

 しかしそのブラチアは、最初のステージで朝日に視界を失ってオーバースピードで進入した左コーナーでコースオフ、大きな衝撃によってファビアの右リヤタイヤがもぎ取られるダメージによっていきなりリタイアとなる。

 ブラチアが離脱してトップに立ったフットゥネンは、1つを除いてすべてのステージでアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2エボ)のタイムを上回ることはできなかったものの、それでも1分1秒6のタイム差でこの日を終えている。

「これ以上のことはない」とフットゥネンは笑顔を見せる。「いい気分だ。大きなミスもなかったし、ステージを重ねるごとにどんどんペースも上がってきていると思う」

 ミケルセンのパフォーマンスは、彼が今年のWRC2ドライバーズ王者となった理由を証明するものとなった。彼は、金曜日にタイヤ交換のために2分以上の遅れをとっているが、土曜日には5つのステージウィンを獲得して30秒以上のタイム差を詰めている。

 その後方、大きく開いて、56歳のイタリア人ドライバー、エンリコ・ブラツォーリ(シュコダ・ファビアRally2エボ)が3位に入っている。彼は過酷なステージの中でトラブルを回避し、ミケルセンから12分5秒4遅れで続いている。

 このカテゴリーの中ではニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアRally2エボ)が実質トップをキープしているが、彼はドライバース選手権のポイント対象外となっている。今回はトークスポーツとチーム選手権を争うモヴィスポーツのためにポイントを獲得することが期待されている。

 一方、プライベーターのためのWRC3カテゴリーではアンドレア・クルニョーラ(ヒュンダイi20 N Rally2)が最後にきてリードを奪っている。

 ホームラリーとなる今回のイベントで、クルニョーラは初日を3位で終えている。この日はスタートからチャージを開始し、イタリア・アルプスの麓で行われた4つの山岳ステージのうちの3つでステージウィンを獲得している。

 有名なテンプル・オブ・スピードでもクルニョーラは同様に速さを見せている。ソットゼロの最初の走行では前日からリードしていたヨアン・ロッセル(シュコダ・ファビアRally2エボ)を9.8秒上回り、続いて暗闇の中で行われたこのステージ2回目走行でトップに立っている。

 最終的にクルニョーラがロッセルを6.5秒リードしてこの日は終了しているが、ロッセルは、同じの選手権のライバルであるカイエタン・カイエタノヴィッチ(シュコダ・ファビアRally2エボ)とのタイトル争いに集中している。

 ロッセルは午前中にカイエタノヴィッチとの差を広げているが、午後にタイヤ選択を誤ると、カイエタノヴィッチがタイム差を縮めている。最終日に向けて二人の差はわずか2.6秒となっている。

 僅差で迎える最終日はボーナスポイントのあるパワーステージを含む3つのステージが残っている。二人はタイトル争いでは127ポイントの同ポイントで最終戦を迎えているが、7戦のうち5戦の有効ポイントを考えるとカイエタノヴィッチが2ポイントをリードしている計算だ。カイエタノヴィッチが逆転で2位になった場合には彼のタイトルへと大きく傾くことになるが、ロッセルがこのまま2位をキープし、さらにパワーステージで上位のタイムを出せば彼のタイトルの可能性が高まる。いずれにしても1ポイントか2ポイントという僅差でタイトルは決着することになる。