ERC2023/03/11

ブリーン、ERC開幕戦ファフェの予選で一番時計

(c)RedBull Content Pool

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 2023年ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)開幕戦のラリー・セーハス・デ・ファフェ・フェルゲイラスの予選ステージが行われ、チーム・ヒョンデ・ポルトガルから出場するクレイグ・ブリーン(ヒョンデi20 N Rally2)が最速タイムを記録し、70周年記念シーズンのERCで幸先のいいスタートを切っている。

 ブリーンは、雨でやや湿ったグラベルとなった3.61kmのモンティム・ステージで行われたフリー走行で2分14秒969を記録、同じステージで行われた予選ステージでも2分13秒769を奪い、MRFディーラーチームから参戦するマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 Rally2)に0.787秒差をつける一番時計を奪っている。

「クルマのフィーリングはとても良かった。水曜日にテストを行ったが、マシンを走らせたという感覚はなく、むしろセーリングしたような感じだった。20キロか30キロ走ったけれど、コンディションが悪かったので、軽くオフしてしまったほどだよ。それでも今日のフリー走行の1回目からクルマはとても良い感じだった」

 ブリーンはこのあとのスタートオーダーセレクションで明日のスタート順を最初に選ぶ権利を手にしたが、まだどのポジションがベストなのか迷っているようだ。

「雨があまり降らないことを願っているし、少しは乾くかもしれない。純粋に何ができるのかわからない。去年はコンディションの関係で、走行順は1番がベストだったんだ。かなりウェットなら前で走りたいが、それほどウェットでないなら、もう少し後ろのほうに行ったほうがいい」

 オストベルグから0.056秒差の3番手にはミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアRS Rally2)、4番手にはフィンランド・チャンピオンのミッコ・ヘイッキラ(シュコダ・ファビアRally2エボ)、5番手にはゲオルク・リンナマエ(ヒョンデi20 N Rally2)は、ハンガリー連盟がサポートするミクローシュ・チョモシュ(シュコダ・ファビアRally2エボ)が6番手タイムで続いている。

 7番手にはERC初出場のフランスのグラベルチャンピオン、マティユー・フランセスキ(シュコダ・ファビアRally2エボ)、BRCレーシングチームからERC王者を目指して参戦するヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 N Rally2)が8番手、トム・クリステンソン(シトロエンC3 Rally2)が9番手、ERC復帰を果たしたベルナルド・ソウサ(シトロエンC3 Rally2)が10番手につけている。

 チームMRFタイヤから連覇を狙うERCチャンピオンのエフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビアRS Rally2)はジャンクションでミスしたため19番手タイムにとどまった。ドライなら後方のスタートでは問題ないが、雨になった場合には困難な週末になるかもしれない。

「ブレーキングが遅すぎてジャンクションをミスしてしまい、そのあとエンジンストールしてしまった。予選ではトップ5を狙えるペースがあったが、とにかくこのような結果になってしまい、明日は19番手からのスタートとなるね」とヤレーナは語っている。

「昨年も同じようなポジションだったので、明日は最初のステージの最初の1メートルからベストを尽くすが、雨が降るのか降らないのか、天候がどうなるかだね」

 ERC開幕戦ラリー・セーハス・デ・ファフェは、金曜日の夜、ターマックロードと石畳を組み合わせたファフェの中心部で行われた1.41kmのスーパーSSで開幕、雨で滑りやすく危険なコンディションのなか地元ポルトガルのリカルド・テオドシオ(ヒョンデi20 N Rally2)がトップタイムで発進、予選ステージでの横転で17番手タイムに終わったチェコの若手エリック・ツァイス(シュコダ・ファビアRS Rally2)が0.2秒差の2番手タイムで続いている。

 ツァイスは、オルサーク・ラリースポーツのメカニックが破損したマシンの修理に追われる中、徒歩でセレモニアルスタートを切ることを強いられたが、完全に修復されたマシンで見事な復活をみせている。

「これは、チームへの感謝の気持ちだよ」とツァイスは語った。「彼らは本当によくマシンを修理してくれた。できるだけスムーズな走りを心がけたが、いいタイムがでたのでうれしいよ」

 短い開幕ステージを終えて、トップから9番手タイムで続く予選トップのブリーンまではわずか2秒という僅差となっており、勝負は明日土曜日からのグラベルステージでの本格的な戦いにかかっている。