WRC2016/03/09

ミケルセンに早着ペナルティ、運転していたのは?

(c)VW

 ラリー・メキシコのDAY2でアンドレアス・ミケルセンがクラッシュする前に1分のペナルティを科せられたという噂が飛びかっていた。奇妙なことに運転席には誰も座ってなかったにもかかわらず、タイムコントロールで早着違反の問題が発生したという!

 ミケルセンは金曜日にデフのトラブルで4位に後退、ヒュンダイのダニエル・ソルドから31秒遅れで土曜日をスタートしたものの、SS12から2連続で2番手タイムを叩きだし、朝の最後のステージを終えてソルドの14.9秒差まで迫ってみせた。さらにミッドデイ・サービスを挟んで最初のSS14を終え、ミケルセンはついにソルドに4.5秒差まで急接近する。しかし、まさにこのステージが始まった直後にミケルセンにペナルティの可能性があるとの未確認情報が流れていた。

 このペナルティについては当初は情報が混乱しており、VWのスポークスマンも事実を確認中だと語っていた。もしペナルティが事実であってもミケルセンの順位に変動はなかったものの、彼はこの直後のSS15でコースオフしてリタイアとなり、マシンのダメージによりラリーの続行を断念したためペナルティの真偽は確認されないままだった。

 けっきょく、このペナルティが正式に確定したのはその日の夜だった。ラリー・メキシコのスチュワードによれば、ミケルセンに早着の問題が起きたのはSS13のあとのミッドデイ・サービスの直前におかれたタイムコントロールであり、しかもミケルセンがクルマの外にいる状況で起きたという。

 コドライバーのアンデルス・ヤーゲルが、ミケルセンにタイムコントロールにチュックインするまで、それほど時間がないということを知らせるためにエンジンをスタート、その時クルマのギヤが入っていたことを認識しておらず、結局、ドライバーが乗っていない状態でクルマが動き始めてしまったという。

 ヤーゲルは慌ててエンジンをカットしようとし、さらにほかのドライバーと話し込んでいたミケルセンもクルマが動き出したことに気付いてあわてて追い掛けてリヤスポイラーを抑えたものの、クルマはタイムコントロールを示すボードを通過してストップした。ヤーゲルがクルマを下りてタイムカードをマーシャルに渡して時間通りにチェックインを行ったものの、ボードをクルマが通過した時間が早かったという判断がなされたために早着による1分間のペナルティが科せられることになった。

 また、本来クルマをストップさせなければならないコントロールエリアを通過しまったことから、スチュワードはチェックインの正式な手順が踏まれなかったとして二人に1,000ユーロの罰金を科している。

 ミケルセンはクラッシュ後、「集中力を失っていたかもしれない」と認めている。