WRC2016/03/07

ラトバラ復活、メキシコで今季初優勝

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 WRC(世界ラリー選手権)第3戦ラリー・メキシコは6日に最終日を迎え、フォルクスワーゲン・モータースポーツのヤリ-マティ・ラトバラ(VWポロR WRC)がセバスチャン・オジエ(VWポロR WRC)に1分5秒差をつけて今季初優勝を飾っている。また、VWはこの勝利によって昨年のラリー・イタリア以降12連勝を飾ることになり、次戦のラリー・アルゼンチンに優勝すれば、同一マニュファクチャラーによる連続勝利の新記録を達成する。

 最終日は80kmのグアナファトと土曜日に走行したアグア・サルカのわずか2ステージのみ、わずか96.47kmのみの一日だ。土曜日のロングステージですべてトップタイムを奪ったラトバラはチームメイトのセバスチャン・オジエに対して1分35.7秒もの大差をつけて最終日に臨むことになったが、WRC史上に残る長さを誇るモンスターステージが控えているだけにまだ何が起きるかわからない。

 日曜日は前日までの順位のリバースでスタートとなるため、もはやオジエは一番手で路面掃除をする必要はない。彼はラトバラの一つ前の9番手のポジションからスタート早々からスパート、すばらしい速さをみせて1kmあたり0.5秒近くを縮め、ラトバラのリードをすこしずつ削り始める。

 だが、これだけの速さをもってしても80kmのステージで1kmあたり1.2秒遅れても逃げ切ることができるというラトバラの計算には遠く及ばない。オジエは中間あたりをすぎてブレーキのオーバーヒートによって完璧な走りではなかったと語りながらも、このステージでラトバラとの差を25.3秒縮める48分06.8秒という圧巻のトップタイム。しかし、二人のギャップは1分10.4秒が残されており、わずか16.47kmの最終ステージで逆転するには不可能だ。

 オジエはパワーステージのボーナスポイントが掛かった最終ステージで圧巻のトップタイムを奪ったものの、ラトバラも5.4秒差の2番手タイムでピタリと続き、1分5秒差をつけて通算16勝目を獲得するとともに、ミーカ・アンティラにとっての170戦目のWRCを最高の結果で祝うことになった。

 土曜日のオーバーヒートで苦しみながらもアンドレアス・ミケルセン(VWポロR WRC)との戦いを制したダニエル・ソルド(ヒュンダイi20 WRC)にとって最終日は順位を確定させるだけのためのクルーズとなった。ミケルセンはマシンのダメージが大きく修理は困難なため、最終日のリスタートを断念、ソルドは80kmのオープニングステージでは5番手タイムに留まったものの、後続のマッズ・オストベルグ(フォード・フィエスタRS WRC)に2分近い差をつけてフィニッシュ、昨年の母国スペイン・ラウンド以来となる3位表彰台を獲得することになった。

 ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20 WRC)は80kmのロングステージでVWの2台に続く3番手タイムを叩きだしてオストベルグにプレッシャーをかけ続けたものの、その差は縮まらず彼は46.2秒差の5位となったものの、パワーステージで3番手タイム、トラブル続きだった週末で溜飲を下げるボーナスポイント1点を獲得した。

 また、DMACKタイヤを装着するオット・タナク(フォード・フィエスタRS WRC)が6位、マルティン・プロコップ(フォード・フィエスタRS WRC)が7位、ロレンツォ・ベルテッリ(フォード・フィエスタRS WRC)が8位、WRC2カテゴリーにエントリーしているテーム・スニネンがMINIジョンクーパーワークスWRCのヴァレリー・ゴルバンに14分の大差をつけて総合9位でフィニッシュしてみせた。