RallyCross2016/04/17

世界RX開幕戦、初日トップはエクストローム

(c)WorldRX

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 世界ラリークロス選手権開幕戦のポルトガル・ラウンドの初日、予選のQ1とQ2が行われ、EKS RXチームのマティアス・エクストローム(アウディS1 RX)がリードしている。チーム・プジョー・ハンセンからのフル参戦が注目されてきた2度のワールドラリーチャンピオンのセバスチャン・ローブ(プジョー208 WRX)は初日5位、ディフェンディングチャンピオンのペター・ソルベルグ(シトロエンDS3 RX)は7位につけている。

 先週には雪が降るなど春先の不安定な天候のなかで迎えた世界RX選手権開幕戦のレースウィーク、モンタレグレは前日から降り続く雨によってグラベルセクションがぬかるみ、マディなコンディションとなった。

 これまで予選の4レースはヒートと呼ばれていたが、紛らわしいことから今季からクオリファイ(予選)という表記に統一されることになったが、Q1からQ4までの4レースを走り、ポイント上位12名がセミファイナルに進出し、勝ち抜いた6名がファイナルを戦う権利を手にするというシステムはこれまでどおりだ。

 予選の前のシェイクダウンを走り終えたあと、歴戦のトップドライバーですら「これほどのコンディションは経験したことがない」と嘆くほどのトリッキーなコンディションとなった初日、Q1はフォルクスワーゲンRXスウェーデンのヨハン・クリストファーソン(VWポロRX)がトップタイム、エクストロームが2番手タイムで続くことになった。ルースになったコーナーでワイドになるドライバーが続出するなかでエクストロームはQ2でもトップタイムを奪い、初日を首位で終えることになった。

「ラリークロスの秘訣はいいスタートを決めることだ、とくにこのような状況ではね。それがこの2年で僕が学んできたことだよ」とエクストロームは語った。「僕らは一貫したスタートを切ることに苦戦したこともあったが、冬の間にそのことを改善に努めた。たしかにこのような天候では難しかったが、僕は2度いいスタートを切ることができて、僕らがいいパフォーマンスをみせる基盤になった」

 初日2位には、Q1のトップに続きQ2でも3番手タイムを出したクリストファーソン、安定した速さをみせて初日3位に付けたのはEKS RXチームに移籍したトーマス・ヘイッキネン(アウディS1 RX)、Q1のレース2でソルベルグと激しいトップ争いをしたフーニガンレーシングのアンドレアス・バックルド(フォード・フォーカスRS RX)が初日4位で続いている。

 難しいコンディションのデビュー戦となったローブは、Q1のレース4では世界ラリー選手権のチャンピオンの貫禄をみせる速さでトップに立ったものの、最終ラップで選んだジョーカーでタイムをロスしたためQ1の5番手タイム、Q2でも5番手となり、初日は5位という好ポジションにつけることになった。

 オルスベルグMSEから初のフル参戦を果たす19歳のケヴィン・エリクソン(フォード・フィエスタST)はプラクティスでいきなりトップタイムを奪って驚かせることになったが、Q1でも光る速さをみせてレース2をトップで引っ張った。しかし、終盤のルースなセクションでワイドになったライバルのマシンの巻き添えを食う形で9番手に終わり、Q2では7番手のタイムで挽回することになり、初日はローブにつづく6位と大健闘のデビューとなった。

 ソルベルグはQ1ではワイドになって大きくタイムを落として11番手に終わったものの、Q2のレース2を制して、初日7位につけており、最終日にジャンプアップを図る考えだ。

「本当に難しいコンディションだったよ。Q1は雨と泥のなかでの生き残りとなって、押し出されてしまったのでノーチャンスだった。この結果、開幕戦ポルトガルの初日は7位となり、ベストなスタートとはいかなかったが、このようなコンディションではセーフティに行かなければならなかった」とソルベルグは語っている。

 また、昨年の選手権でソルベルグと王者を争ったチーム・プジョー・ハンセンのティミー・ハンセン(プジョー208 WRX)にとっては厳しい初日となった。Q1では混戦を抜け出すことができずに8番手、Q2ではジャンプスタートで15番手と失速、初日を終えて予選12位という困難な状況になっている。

 昨年のRXライツカップで王者となった弟のケヴィン・ハンセン(プジョー208 WRX)はプジョー・ハンセン・アカデミーから出場、初日は兄を上回って10位となっている。

 オルスベルグMSEのフォード・フィエスタSTで出場したマーカス・グロンホルムの息子のニクラスは初日16位、フーニガンレーシングのケン・ブロック(フォード・フォーカスRS RX)はQ1のオープニングラップのコースオフが響いて、初日は17位とそれぞれ大きく出遅れてしまった。