WRC2019/05/16

初WRC開催のチリを関係者たちは絶賛

(c)Michelin

 先週末のラリー・チリに勝利したオイット・タナクは、今回FIA世界ラリー選手権としての初開催となってこのイベントについて賞賛を送った。

 コンセプシオンをベースとして開催されたこのイベントで、SS2からフィニッシュまでラリーをリードしてきたタナクは、太平洋岸に沿って走り抜ける森林ステージや壮大なセレモニアル・スタートの雰囲気を今や彼のお気に入りのラリーとなったと明かしている。

「木曜日の夜のセレモニアル・スタートでの雰囲気は本当に特別なものだった」とタナクは語った。「あれほど大勢のファンたちが、人々がたくさんラリーを応援に来てくれる光景を見ることができて、本当に素晴らしいと感じたし、それがこのイベントを通してずっと同様なそうだったんだ」

「僕たちがここに来た時はあまり天気が良くなくて、レッキの時には雨も降ったし、霧も出ていた。道路の感じはいいことは分かったけど、全体を良く見ることは難しかったよ。雨が止むとステージはとても良くて、これまでの中でも最高の部類だったよ」

「今回はチャレンジングな厳しいラリーだった。すべての要素を少しずつ含んでいて、1日目はグリップが常に変化していた」

 シトロエン・レーシング代表のピエール・ブダールも同じように満足している。

「このイベントを取り入れたことは選手権にとっては大成功だったといえる。レッキでステージを走ってみたが、ここは非常に魅力的だと言うしかない。道路は高速で起伏に富んでいるが同時にいろいろな変化も楽しめる」

「それに地元のファンたちがとても温かく歓迎してくれる。彼らはセレモニアル・ステートとフィニッシュで特ににぎやかで熱狂的だったが、ステージでもサービスパークでも大挙して現われていた」と彼は語った。

 FIAラリー・ディレクターのイヴ・マトンは今回のチリのデビューについて感銘を受けたことを認めている。

「各ステージはドライバーにとって面白く、チャレンジングものだったし、サービスパークでもファンたちの情熱が溢れていた」と彼は語っている。「私はステージの方にも行ったがそこでも同じ光景を見ることができた。キャンピングカーのファンたちを見るのも嬉しいね、こういうのもこのスポーツのDNAの一部だ」

「私には、チリがWRCの目指すところであるのは明確だ。まだ1年目であり、国内選手権からWRCへ一気にジャンプするということがどれほど難しいことなのかは我々知っているし、組織としてもまだ改良すべきものもある」

「だが、我々もWRCプロモーターとともに、組織にエキスパートたちを入れ、最高レベルでこのイベントを開催できるように引き続き取り組んでいく。チリのチームのモチベーションがあれば、彼らは将来的に必ずトップレベルに到達できると私は確信している」

 マトンは新しいカレンダーの仲間に加わったチリが成功したのは、国として選手権を迎えるための大きな努力があったことを賞賛しながら、付け加えている。

「63台がエントリーリストに載っているのは見たがそれは重要だ。FIAの規定を適用していくため、そしてFIAのクルマをチリに持ってくるために、チリの人々の多大な尽力があったということだ。(この国が)世界ラリー選手権に加わることになった理由がこれで納得できるはずだ」