WRC2024/06/04

豊田会長、歴史的僅差の敗戦に悔しさ

(c)Toyota

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエは先週末のラリー・イタリア・サルディニアで勝利を飾るかに見えたが、最終ステージのパンクでヒョンデのオイット・タナクにわずか0.2秒という僅差で勝利を奪われることになった。

 負け嫌いのTGR-WRT豊田章男会長は、歴史的僅差で破れたことに悔しさをにじませながらも、タナクの逆転勝利を讃えていた。タナクはトヨタに所属していた2019年のサルディニアで、今年の逆転劇が起きたサッサリ〜アルジェンティエラのまさに同じステージでパワーステアリングのトラブルに見舞われて勝利を失っていた。

「サルディニアの道は本当に厳しく、いつも我々のチームとクルマを鍛えてくれます」と豊田会長は週末のラリーをふりかえった。

「TOYOTA GAZOO Racingがサルディニアで勝てたのは一度だけ。2021年にセブが勝ってくれた時だけでした。そんな厳しい道で、セブとヴァンサンが最後まで頑張ってくれましたが、最後の最後、パワーステージで本当に悔しい結果となりました。0.2秒差は本当に悔しいですが、これもラリーです。我々の合言葉は『負け嫌い』。この悔しさを力に変えて、次の勝利を目指していきましょう!」

「オィットへ。私も現地で見ていた2019年のサルディニア。あのときのパワーステージの悔しさを晴らせましたね。おめでとう!」

 オジエは2011年ヨルダン・ラリーでいまのトヨタ・チーム代表であるヤリ-マティ・ラトバラを0.2秒差で破ってWRC史上最も僅差の勝利記録を達成したドライバーとなったが、今年のサルディニアでは最も僅差で勝利を失ったドライバーとなった。彼は、あのときラトバラがどれほど悔しい思いだったのか、いま実感できるとふりかえった。

「今ならチーム代表のヤリ‐マティとこの悔しい気持ちを共有できる。2011年のヨルダン・ラリーで僕たちはこの0.2秒差を経験した。あの時は僕が勝者側だった。だが、これはラリーだから仕方ないことだ」とオジエは語っていた。

「このような厳しいラリーで勝つための仕事は十分に出来ていたが、残念ながらフィニッシュまで3kmというところでタイヤから空気が抜け出てしまった。でも、週末にできることはすべてやったと思う。自分たちのパフォーマンスには満足しているし、誇りに思っている。その報酬を得られなかったことは確かだが、でも少なくとも、負けたとしても、その勝利が友人のオイットにいくのは嬉しいことだ」