WRC2016/07/21

貴元・大輝、挑戦の姿勢を失わずにフィンランドへ

(c)TOYOTA

 TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムで欧州修行中の勝田貴元と新井大輝は、先週末のラリー・エストニアで二人とも横転によってリタイアとなり、ハイスピードステージにおける新たな課題に直面することになったが、これからも挑戦していく姿勢を失わずに来週末のラリー・フィンランドに挑む。

 二人は昨年の夏からヨーロッパでのトレーニングを開始、フィンランドやラトビアなど国内選手権レベルでの戦いに挑んできたが、先週末のラリー・エストニアでヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)デビューを果たし、来週にはラリー・フィンランドでのWRCデビューが控えている。

 二人にとって今回のラリーが、一年にわたってトレーニングを続けてきたグループR4マシンからR5マシンにスイッチしてわずか2戦目にすぎなかったこともあり、ステップアップの時期が早すぎたのではないかとの声も聞かれたが、ジュニアドライバー育成プロジェクトのチーフインストラクターを務めるヨウニ・アンプヤは、二人の成長スピードから考えても挑戦の時期が早すぎることはないと語り、今後も挑戦を継続するとコメントしている。

「今回は二人とも残念な結果に終わった。フィンランド国内ラリー選手権からヨーロッパ・ラリー選手権へとステップアップしたが、彼らの成長スピードから考えれば早すぎることはなかった」とアンプヤは語った。

「今回のリタイアの原因は明らかで、次につなげていく過程と考えている。次戦も挑戦していく姿勢を失わずに、このプログラムを継続していく」

 今回のラリー・エストニアは来週のラリー・フィンランド参戦のための前哨戦として位置づけられているもので、二人は苦い経験となったこのラリーを反省しつつ、次戦までのトレーニングの中でその課題の解決を図るという。

 新井はフィエスタR5の速さをイメージしたペースノートづくりができなかったとラリーを振り返った。

「今回のリタイアはペースノート作りに問題がありました。エストニアはハイスピードコースで、フィエスタR5の車速域をイメージしながらペースノートを作ることがとても重要だったのですが、自分の中でまだ高い車速域でのペースノート作りが確立できていませんでした。どんな道でも自分のペースノートを確立して走れるようになりたいと思いました」

 いっぽう、勝田はいいペースノートができていたことを評価しつつも、自身のブレーキミスがそれを台無しにしたことを悔やんでいる。

「今回のミスは明らかに自分のミスです。ダニエル(・バリット)の協力もあってペースノートは問題なく作れていました。車速域の高いエストニアで路面に対するブレーキのタイミングの取り方を誤ったことに大きな問題がありました。この経験を忘れずにこれからのラリーに活かしていきたいです」