WRC2016/04/27

57歳のケナード、歴代最年長のWRC勝利記録を達成

(c)Hyundai

 ヘイデン・パッドンのコドライバー、ジョン・ケナードは、ラリー・アルゼンチンの優勝で歴代最年長のWRC勝利記録を達成した。

 1959年2月11日にニュージーランドのクライストチャーチで生まれたケナードは、1991年にラリー・デ・エスパーニャでアルミン・シュバルツのコドライバーとして52歳でウィナーとなったアーネ・ハーツの記録を破り、57歳と73日という史上最年長WRCウィナーとなった。

 ちなみにドライバーの最年長WRC勝利は1990年のサファリ・ラリーで優勝したビヨルン・ワルデガルドの46歳と155日だ。

 パッドンは最終日、30秒近くをリードしてスタートしながら、エンジン・ストールの問題などによって、2つのステージを走ってリードはわずか2.6秒となったが、最終ステージで素晴らしい走りをみせてセバスチャン・オジエの追撃から逃げ切った。

 ケナードは、ラリー・アルゼンチンの最終ステージをゴールした直後、パッドンならワールドチャンピオンになれると大きな声で叫んだ。

「素晴らしいよ! ヘイデンはワールドチャンピオンになれるよ! 僕は最初から彼が勝てると信じていたよ!」とケナード。

 パッドンは最終ステージの前のステージで19.6秒ものタイムを失ったことにやや動揺しているような様子を見せたが、ケナードはコクピットのなかは終始落ち着いていたと明かした。

「ラリーの間ずっと非常に落ち着いていた。今日の最初のステージの後、僕たちはいくつか問題を抱えていたので、よく考えるためにステージを離れた。僕たちはまだリードしていたが、長いステージのあとそれはわずかとなった。そして僕は、最後は冷静にならなければならないと思った。ヘイデンと、自分たちにできることは、挑むことだけだと話した。そして僕たちは挑み、信じられないほどの結果を得た」

 ケナードは、最終ステージをスタートする際、ペースノートが絶対に完璧でなくてはならないというプレッシャーがあったかどうか聞かれ、ほとんどなかったと答えた。

「いつもより僅かにね。でもそれほどでは無い。僕は35年間、この仕事をやってきているからね!」

 29歳と4日でWRCウィナーとなったパッドンは、ケナードと自身の勝利が母国ニュージーランドのファンに支えられたものだと語った。

「僕らを寝ないで応援してくれているニュージーランドのすべての人々に感謝したい。時差はとても大きいが、僕は彼らがライブでステージを見てくれていることを知っている。僕とジョンがここまでできたのは母国のファンの応援のおかげでもある。本当に素晴らしいことだ」