WRC2020/04/25

イェーツ、eスポーツWRC対戦を制す

(c)wrc.com

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 11人の勢いある若手ドライバーが参加したeスポーツWRCシュートアウトは23日に最終日を迎え、WRCのフェイスブックでのライブストリーミングを数万人のファンが見守るなか、英国のリース・イェーツがファイナル決戦でボリビアのマルキート・ブラチアを破って総合優勝を果たした。

 eスポーツWRCシュートアウトは、世界ラリー選手権のサポートカテゴリーに参戦する未来のスター候補11名が参加、WRC公式ゲームWRC8のラリー・アルゼンチンの厳しいグラベルを舞台に今週の火曜日からオンラインで対決してきた。

 今季、Mスポーツ・フォードからWRC2に参戦するイェーツは、火曜日の予選ラウンドでフランスのアドリアン・フォーモウを撃破して水曜日のセミファイナルへと進出、エストニアのローランド・プームとのジュニアWRCドライバー同士での対決を制したルーマニアのラウル・バディウを圧倒してファイナルへと駒を進めていた。

 イェーツのファイナルでの対戦者となったブラチアは、予選ラウンドからもっとも速さをみせて快進撃で勝ち上がってきた。

 ブラチアの予選における最初の対戦相手はノルウェーのオーレ・クリスチャン・ヴェイビーだったが、ブラチアはここで予選参加者11名中で最速タイムを奪ってヴェイビーとの激しいバトルを制してセミファイナルへと進出してみせた。

 ブラチアがセミファイナルで対戦したのは、オリヴァー・ソルベルグだ。ソルベルグ・ワールドカップを開催するなどシムレーサーとしての腕を伸ばしてきたオリヴァーは、予選で2019年WRC2プロ王者のピエール・ルイ・ルベーに勝利しており、ブラチアとのティーンエイジャー対決はセミファイナルのハイライトとして注目されることになったが、2.7秒という僅差の勝負を制したブラチアがファイナルへと進出してみせた。

 ファイナルの舞台となったのは、アルゼンチンの決戦にふさわしくクチージャ・ネヴァダとエルコンドルの2ステージだ。ゲーマーとして才能を発揮してきたブラチアに対して、イェーツはバーチャルレースでは伏兵だとも考えられてきたが、最初のクチージャ・ネヴァダではブラチアが高速左コーナーでコースオフという予想外の展開でファイナルはスタートすることになった。

 ブラチアは、その後、大胆なコーナーカットを見せて、このバーチャスステージをかなり経験している走りで追い上げたが、最初のステージでイェーツに7秒遅れを喫してしまった。

 そして迎えた最終ステージのエルコンドル、ブラチアは遅れを取り返すために猛然とプッシュしてみせたが、イン側の石に乗り上げて横転、堅実な走りを最後までキープしたイェーツが見事にeスポーツWRCシュートアウトを制することになった。

 イェーツはゴール後、紅茶をドライビングシューズに注いで(!)おいしそうに飲みほして激戦でのノドの渇きをいやしている。

「2つめのステージはとても速かったので、僕の戦略はミスをしないで走り切ることだったが、バンピーでドライビングが困難だったが、うまく走れて満足だよ。応援してくれて、ありがとう」