WRC2021/02/12

エクストローム、15年ぶりのWRCに参戦へ

(c)EKS

 マティアス・エクストロームがおよそ15年ぶりに世界ラリー選手権に復帰する。エクストロームは、2月26〜28日にラップランドで開催されるアークティック・ラリー・フィンランドでシュコダ・ファビアRally2エボを駆ってWRC3に挑戦することを発表した。

 2度のDTM王者で2016年の世界ラリークロス選手権のタイトルを持つエクストロームは、2021年は新たにスタートするエクストリームEへの挑戦を計画している。先月ダカールのためにジェッダに行ったのもそのためで、4月上旬には開幕戦が行われるアル・ウラにいることになる。

 だが、その前にエクストロームは60度近い温度変化があるにもかかわらず、サウジアラビアからアークティック・ラリーに出場するために北極圏を目指す。彼はこの雪と氷の祭典に挑む理由について次のように語った。

「アイスとスノーの中を何百キロも走るアークティック・ラリー・フィンランドは、僕にとって感覚を研ぎ澄まし、ラリーへの情熱を新たにすることができる完璧なイベントだ」とエクストロームは語った。

「ラリーは僕の生涯の情熱であり、アークティック・ラリー・フィンランドに参戦することは死ぬまでに叶えたい夢リストの一つだったが、ついに実現する。2021年はエクストリームEシリーズに専念するが、そこでは非常に多様な知識と様々な路面に対応するドライビングスキルが必要とされる」

「サウジアラビアの砂漠で行なわれるダカールからフィンランド北部の極寒の地へ行くことは、想像可能な範囲における究極のコントラストだ」

「WRCイベントは僕のアークティック・アドベンチャーの旅におけるスポーツの頂点だ。とても楽しいだろう。でも、僕のことを知っている人なら誰でも知っていると思うが、僕は勝つことが好きなので、クラスの常連選手たちと競うつもりだよ。もちろん彼らがラリーにより時間をかけて取り組んでいることは知っているけれどね」

「ラリーの前に2日間のテストを行い、僕たちのソーシャルメディア上でラリーの舞台裏をファンに伝える予定だ」

 エクストロームは先月、Xレイド・ヤマハのバギーでダカールに挑み、序盤は好走したがエンジントラブルに見舞われた。ダカールのルーキーだったこともあり、エンジン交換が認められたが、その後ペナルティで順位を落としてしまった。

 エクストロームはWRCのサービスパークでは当然よく知られている。ラリー・スウェーデンとラリー・デ・エスパーニャではグループNを三菱ランサーエボリューションで勝利し、またシュコダのファクトリーチームの一員としてWRCの3つのイベントに参戦しており、2005年のラリー・スウェーデンではファビアWRCで総合10位の成績を残している。

 しかし、もしエクストロームのWRCの経験で十分でなければ、2018年ジュニアWRCチャンピオンのエミル・ベルクヴィストがコドライバーシートからサポートすることになるだろう。ベルククヴィストはダカールでも彼のコドライバーを務めた。

 ベルククヴィストは次のように語った。「WRCに戻ってこられて嬉しいよ。今回は別の役割となるが、これは本当にエキサイティングで、大きな挑戦になるだろう。マティアスとはしばらく一緒に仕事をしてきたので、僕はペースノートを読み、もしかしたら彼に少し助言もできるかもしれないと思っている」