WRC2020/09/05

オジエとラッピがエストニア開幕SSを制す

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 世界ラリー選手権第4戦ラリー・エストニアが金曜夜に行われたタルトゥ・ヴァルドのステージで開幕、トヨタGAZOOレーシングWRTのセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)とMスポーツ・フォードWRTのエサペッカ・ラッピ(フォード・フィエスタWRC)がスペシャルステージの勝利を分け合ってラリーをリード、地元のオイット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)が0.1秒差で続いている。

 新型コロナウイルスによって6カ月にわたって中断してきたシーズンが、いよいよ、タルトゥ・ヴァルドのステージで開幕した。ラーディ・サービスパークに隣接する短い1.28kmのステージは、絵のように美しい公園の道を走るテクニカルなコースだが、コーナーにはインカットを防ぐための大きな石やヘイベイルが置かれるほか、ガードレールで狭くなっているところもあり、一瞬のミスも許されない。金曜日は晴れた1日となったものの、路面は前夜の雨でかなり湿っているなか、オジエとラッピがベストタイムを分け合ってスタートした。

「僕たちはワクワクしている。戦いに戻れてうれしいよ。マシンのフィーリングは良いので、楽しみだ」とオジエはステージエンドで語っている。彼は、このステージにミディアムコンパウンド4本のみでスペアをもたずに挑んでいる。

 ラッピはテストや実戦へ参加するチャンスもあまりないままにシーズン再開を迎えることになったが、シェイクダウンで3番手タイムを記録したことで、今週末に向けて自信を深め、この開幕ステージでもオジエと並んでと同タイムでスタートした。「正直なところ、それほど良い感じはしなかった!明日のステージがどうなるかは分からないが、シェイクダウンは良かったし、オープニングステージも良かったので明日が楽しみだ」とラッピ。今週末はヒュンダイとトヨタには敵わないだろうと予測されていただけに、フェイスマスクで隠されて見えないものの、その目は驚きと喜びに輝いているようだった。

 シェイクダウンを圧倒的なスピードで制したタナクは、コーナーにおかれたヘイベイルにヒットしてなぎ倒すミスがあったため、0.1秒差の3位でのスタートとなったが、彼は明日からは全開で母国勝利に挑むつもりでいる。「エストニアにWRCが来たのは特別なことだ。タフな数日間になるだろうし、競争は厳しいものになるだろうけど、これは間違いなく僕らにとってのチャンスなので、ベストを尽くさなければならない」

 ヒュンダイ・モータースポーツのサードドライバーとしてエストニアに起用されたクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC)が旧タイプのエアロながら0.4秒差の4番手、オジエと同じくスペアタイヤを搭載しなかったエルフィン・エヴァンス(トヨタ・ヤリスWRC)が0.6秒差の5番手で続いている。

 WRC2のマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 R5)が6番手に食い込み、0.2秒差でポントゥス・ティデマンド(シュコダ・ファビアRally2エボ)、クリーンな走りをみせた勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)、カッレ・ロヴァンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)の3台が同タイムの7番手タイムを分け合っている。

 また、ティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)は狭いセクションで2度、ワイドになってグラスエリアにタイヤを落として10番手と出遅れているが、その差はわずかに1.5秒差にすぎない。

「正直なところ、本当に厳しい戦いになると思うが、またラリーに戻れたことは嬉しい。休みが長かったので、明日からのステージを楽しみにしているよ」とヌーヴィルは語っている。

 ラリー・エストニアはいよいよ明日の土曜日から高速ステージを求めてタルトゥ南部へと向かう。土曜日は147.18kmという長い一日となるが、今夜から明日にかけてふたたび雨の予報もあり、波乱を呼ぶことになりそうだ。オープニングステージとなるSS2プランリは現地時間7時40分(日本時間15時40分)にスタートが予定されている。