WRC2019/10/05

コペツキがWRC2プロをリード

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 ウェールズ・ラリーGBのWRC2プロ・カテゴリーでは、シュコダ・モータースポーツのヤン・コペツキ(シュコダ・ファビアR5エボ)がこの日の終盤になってタイヤトラブルに見舞われたチームメイトのカッレ・ロヴァンペラ(シュコダ・ファビアR5エボ)を抜いて、7.5秒差をつけてラリーをリードしている。

 スタート直後からリードしていたロヴァンペラは、最終の1つ前,暗闇での走行となったディフナントのステージで右リヤにパンクを喫し75秒を費やした結果、コペツキにトップを譲ることになる。

「ステージの初めの方で、何の前触れもなく来た感じだった。僕たちは大きくスムーズな道路を走っていた、だからどうしてそうなったのかまったく見当がつかないよ」とロヴァンペラは語っている。彼は今週末、ここで勝利を挙げることになればWRC2プロのタイトルが確定する

 コペツキは、ウェールズ北部と中部の雨でずぶぬれの森の中でトラブルを完全に回避し、他のライバルたちがタイムを落とす中、彼の安全第一のポリシーが功を奏する結果となっている。

 ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタR5)は午後に入ってからほとんど2位をキープしていたが、最終の1つ前のステージの直前にウォーターポンプのトラブルが発生し、4分以上後方の3位となっている。

 マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 R5 )はデイサービスの時点では2位につけていたが、SS6に向かうリエゾンセクションで、オイル漏れとパワー不足によりストップしている。また、R5マシンでのデビュー戦となったヘイデン・パッドン(フォード・フィエスタR5 Mk2)は、SS4のディフナントのスピンによってバンクに捕まってマシンを止めている。

 一方のプライベーターのためのWRC2カテゴリーでは、ピエール-ルイ・ルベー(シュコダ・ファビアR5エボ)が終日リードを保ち、今回最後のラリーイベントに挑んでいる元世界王者でラリーGBに4度勝利しているベテラン、ペター・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)を35.7秒差でリードしている。

 ソルベルグは3位のアドリアン・フォーモウ(フォード・フィエスタR5)を3.4秒差で上回っている。ボリビア出身の10代マルコ・ブラチア(シュコダ・ファビアR5エボ)がその1分後方で4位、そしてアルベルト・ヘラー(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)ファビオ・アンドルフィ(シュコダ・ファビアR5エボ)が5位、6位で続いている。

 またWRC2にはノミネートしていないものの、経験を積むためにラリーGBに出場したTGRラリーチャレンジプログラムの勝田貴元は(フォード・フィエスタR5 Mk2)は朝のループを終えて、ペター・ソルベルグの4.4秒後方のWRC2カテゴリーの3位に相当するタイムで続いていたが、午後のループになってさらにコンディションが難しくなったステージでパンクとスピンに見舞われて大きくタイムをロス、初日はRC2クラスの9位につけている。

 また、選手権をリードするカイエタン・カイエタノビッチ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)は、1本のスペアのみで2回目のパンクに見舞われてリタイアしている。彼と同ポイントで選手権をリードするニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5エボ)は首位のルベーから4.3秒差で続いており、選手権トップに躍り出す絶好のチャンスだが、彼もまた今回はWRC2にノミネートしていないためポイント獲得のチャンスはない。

 今季のノルウェー・チャンピオンに輝いたオーレ・クリスチャン・ヴェイビー(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)は2位につけて優勝のチャンスも期待されたが、トラックコントロールアームの破損により戦列を離れている。

 先週、運転免許試験に合格した18歳のオリヴァー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)は試練のWRCデビューとなり、この日のオープニングSSでステアリングの故障で、早々にリタイアすることになった。