WRC2019/06/13

サス破損のオジエ、シェイクダウンで一番時計

(c)Citroen

(c)Hyundai

 2019年世界ラリー選手権第8戦ラリー・イタリア・サルディニアのシェイクダウンが6月13日に行われ、選手権リーダーのセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)が1回目の走行でサスペンションを壊す波乱に見舞われながらもトップタイムをマーク、オイット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が2番手、ティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)が3番手で続いており、選手権を争うトップ3がシーズン後半戦の最初のラリーとなるサルディニアで早くも静かな火花を散らす展開を見せることになった。

 青空が広がったサルディニア。シェイクダウンのステージが始まった8時の時点ですでに気温は22度まで上昇しており、路面は完全なドライコンディションだ。

 シェイクダウンが行われるのは昨年と同じオルメドのステージだが、モンテバランタ・ステージでも使用されるオルメド鉱山の中を走るセクションを組み入れた3.92kmのコースに変更されている。

 シェイクダウンは、一番手のポジションでスタートした選手権リーダーのオジエのトラブルで始まることになる。オルメド鉱山のトリッキーなセクションを終えてワイドなコースに合流するタイトなジャンクションは、石造りのゲートによっていっそうコースの巾が狭くなっており、オジエはここでサイドブレーキを引いてターンした際に左リヤをヒット、サスペンションを壊してスロー走行を強いられることになってしまう。

 ステージエンドでマシンを止めたオジエは、「非常にタイトなゲートだったのでリヤをヒットしてしまった。修理のためのパーツを搭載していないため、チームのサービスを待たなければならない」と苦笑するしかない。

 このゲートではヌーヴィルも左リヤフェンダーのエアロを大きく破損、さらにエルフィン・エヴァンス(フォード・フィエスタWRC)も激しく激突することになった。幸いにも2台とも走行には問題はなく、エヴァンスによって石造りのゲートは完全に壊されたために、後続のドライバーにとって走行の支障にはならなかったようだ。

 1回目の走行を終えてシェイクダウンのトップタイムはヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)、1.6秒差の2番手には今回からヤルモ・レウティネンをコドライバーに迎えたテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)が続くことになり、2回目の走行では2戦連続のウィナーであるオイット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が速さをみせてトップタイムを更新、4.5秒を縮める3分0.9秒を叩き出すことになる。

 だが、タナクは3回目の走行ではなんらかのトラブルを思わせるようにペースが上がらず27秒あまりをロスしてサービスへと戻ることになり、修理のためにチームのサポートを待って1時間半経ってやっと2回目の走行を開始したオジエがタナクのタイムを0.9秒削りとるシェイクダウンの一番時計となる3分00秒を記録する。

 また、壊れたフェンダーの修理のためにサービスに戻っていたヌーヴィルも、オジエのあとを追うように3回目の走行を行い、1.7秒遅れの3番手で続き、選手権のトップ3がシェイクダウンでもトップ3を占めることになった。

 ヌーヴィルから1秒差の4位には、1回目の走行から好タイムを刻んだスニネンとクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が並び、さらにラリー・チリのあと久しぶりの出場となったアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)も3回目の走行でそこに加わることになった。

 いっぽう、ラトバラは1回目でトップタイムを奪ったあとサービスにもどってセットアップを調整しており、やや荒れたコースに戻って2回目の走行を行った彼は最終的にミケルセンから0.2秒差の7番手でシェイクダウンを終えることになった。

 8番手には1回目の走行でエアロにダメージを負ってしまったエヴァンス、2017年のラリーGB以来、久しぶりにWRCに帰ってきたユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が4回目の走行で9番手タイムを奪い、エサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)が10番手、ダニエル・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)が11番手で続いている。

■シェイクダウンタイム
1. S.オジエ 3分00.0秒
2. O.タナク3分00.9秒
3. T.ヌーヴィル 3分01.7秒
4. K.ミーク 3分02.5秒
4. T.スニネン 3分02.5秒
4. A.ミケルセン 3分02.5秒
7. J-M.ラトバラ 3分02.9秒
8. E.エヴァンス 3分03.0秒
9. J.ハンニネン 3分03.4秒
10. E.ラッピ 3分04.8秒
11. D.ソルド 3分05.0秒