WRC2020/02/03

スウェーデンには初めて5台のヤリスWRCが登場へ

(c)Toyota

 雪不足が懸念されるラリー・スウェーデンだが、主催者は2月13-16日に世界ラリー選手権第2戦として開催されるイベントに11台のWRカーを含む55台のエントリーがあったことを公式発表した。

 ヒュンダイ・モータースポーツは開幕戦ウィナーのティエリー・ヌーヴィル、オイット・タナクに加え、当初予定されたセバスチャン・ローブに代えてクレイグ・ブリーンを3台目としてマニュファクチャラーノミネートしている。

 トヨタGAZOOレーシングWRTは4台のヤリスWRCをエントリー、開幕戦と同様にセバスチャン・オジエ、エルフィン・エヴァンス、カッレ・ロヴァンペラの3台をマニュファクチャラーノミネート、2018年にWRC2で優勝を飾った勝田貴元が初めてヤリスWRCでスウェーデンに挑む。

 また、スウェーデンにはヤリ-マティ・ラトバラが自身のチームであるラトバラ・モータースポーツからエントリー、プライベーターとしてトヨタ・ヤリスWRCを駆って今季初出場する。コドライバーは、ユホ・ハンニネンが務める。ヤリスWRCが同一イベントに5台出場するのはこれが初めてのこととなる。

 Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームは3台のフォード・フィエスタWRCをエントリー、テーム・スニネンとエサペッカ・ラッピの2人をマニュファクチャラーノミネート、リトアニアのプライベーター、デイビダス・ジョシウスがモンテカルロに続いて2戦目のWRカーでの参戦を果たす。

 WRC2選手権(昨年のWRC2プロ選手権)には6台のマシンがエントリーした。PHスポールからはマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 Rally2)、Mスポーツ・フォードからはアドリアン・フォーモウとリース・イェーツがフォード・フィエスタRally2 Mk2で出場し、ヒュンダイのWRC2のオフィシャルチームであるヒュンダイ・モータースポーツNからニコライ・グリアジンとオーレ・クリスチャン・ヴェイビーがヒュンダイi20 Rally2で出場する。また、新たにTOKスポーツからポントゥス・ティデマンド(シュコダ・ファビアRally2エボ)がエントリーしている。

 プライベーターのためのWRC3選手権(昨年までのWRC2選手権)には16台がエントリー、シュコダ・モータースポーツからのサポートが発表されたオリヴァー・ソルベルグがシュコダ・ファビアRally2エボでのデビュー戦を迎えるほか、ヒュンダイジュニアドライバーに抜擢されたグレゴワール・ムンスター(ヒュンダイi20 Rally2)、世界ラリークロス・チャンピオンのヨハン・クリストファーソン(VWポロGTI Rally2)、ミーカ・アンティラとのコンビで迎えるフィンランド王者のエーリック・ピエタリネン(シュコダ・ファビアRally2エボ)らが登場する。

 今季開幕戦のジュニアWRCには16台のフォード・フィエスタRally2が出場、昨年惜しくも2位となったトム・クリステンソンや2年目のシーズンを迎えるマルティンス・セスクスのほか、eスポーツWRC王者の前歴をもつジョン・アームストロングらが注目どころとなっている。

 暖冬によって雪不足が心配されているスウェーデンだが、先週にはコースに積雪もあり、主催者は開催に向けて予定どおりに準備を行っていると発表している。しかし、14日金曜日に予定されるノルウェー・エリアの新しいニッケルヴァットネットやフィンスコーゲンには十分な雪とアイスが残っているものの、土曜日にトースビー東南エリアで予定されるルートは完全にグラベルが露出していると報告されており、コリンズクレスト・ジャンプで有名なヴァルゴーセン・ステージも現状ではコースとしての使用は困難と見られており、アイテナリーの変更は避けられない状況だ。

 ラリー・スウェーデン主催者は月曜日の時点で開催の可否について最終判断を行ってFIAとWRCプロモーターに報告する予定となっている。