WRC2018/10/04

スニネン、GBシェイクダウンでトップタイム

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(c)Toyota

 2018年世界ラリー選手権(WRC)第11戦ウェールズ・ラリーGBのシェイクダウンが4日に行われ、Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームのテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)が初めてシェイクダウンでのトップタイムを奪った。彼にとってはWRカーで参戦する初めてのラリーGBとなる。

 開催が3週間早まったことでドライコンディションのラリーGBになるとの期待もあったが、今週のウェールズは不安定な天候が続き、昨夜の雨によって、木曜日の朝8時から始まったクロッケノグ・ステージ(3.37km)でのシェイクダウンもウェットコンディションのなか波乱のスタートとなった。

 選手権リーダーのティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)に続いて2番手で走行を開始したオイット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が滑りやすくなったジャンクションでブレーキをミスしてオーバーシュート、フロントからバンクに激突することになった。タナクは観客の助けを借りてどうにかコースに戻ってゴールまで走りきったものの、チームと相談してディーサイドのサービスにいったん戻ってマシンをチェックすることになった。

 シェイクダウンの1回目の走行は、昨年の勝者である地元のエルフィン・エヴァンス(フォード・フィエスタWRC)、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が2分1.4秒のトップタイムで並び、これにクレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)が0.1秒差で続くことになった。しかし、路面がクリーンになることが期待された2回目の走行以降では、湿って柔らかくなった路面には早くも轍が刻まれ、多くのドライバーがタイムを伸ばすことができないなか、Mスポーツ・フォードのテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)が2分1.2秒のトップタイムを叩き出してライバルたちを大いにざわつかせることになった。

 ラリーGBはカレンダーの中でも最も難関のイベントの一つとしても考えられているが、スニネンにとってはその挑戦が厳しいものであるほど、さらに力強さを発揮しているようだ。スニネンは以前にもウェールズではまったく初めての挑戦となったにもかかわらずWRC2で勝利を掴むことに成功し、すっかりウェールズの森がお気に入りとなっているようだ。

 スニネンは、今週末のイベントでいくつかのサプライズをもたらすことを期待している。

「今回は僕にとっては初めてのWRカーで参戦するイベントになるけど、この挑戦ををとても楽しみにしているし、チームのためにも全力を尽していくつもりだ。クルマの感触はいいし、きっといい結果を目指して戦うことができると思う」とスニネンは語った。

「先週、一日テストをして様々なコンディションを体験できた。僕たちは丸一日、午前中はマッディなコンディションの中で、そしてドライになっていく午後と、ドライブを続けた。終盤になると土砂降りの雨になって、本当にいろんなコンディションの中でのドライビングを体験することができた。万全なテストだと言えるね」

 けっきょく、上位勢のタイムはコンディションの悪化によって最後まで破られることはなかったが、セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)がただ一人例外ともいえる速さをみせることになった。彼はP1ドライバーのみの走行が許された2時間をめいっぱい使って走行を重ね、路面コンディションが荒れているにもかかわらず5回目でラトバラらと並ぶ2番手のタイムを奪うことに成功している。

 繰りかえし走行を行ってもタイムの更新が期待できないことは明らかだったが、多くのドライバーたちがこのトリッキーなコンディションでのシェイクダウンを最大限に利用することになった。先週まで好天続きだったこともあり、プレテストでウェットコンディションを走ることができなかったドライバーたちも繰りかえし走行を行って本番にむけた最後の調整を行っていた。

 ヌーヴィルはいったんサービスに戻ってセッティングを調整したあと、10時から始まるすべてのプライオリティドライバーに許された2時間の追加枠のなかでWRC2ドライバーたちにまじって走行を行い、トップから0.4秒差の6番手で締めくくっている。マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)は、ヌーヴィルから0.1秒差の7番手タイムでシェイクダウンを終えている。

 なお、1回目の走行でオフを喫したタナクも水漏れのあった冷却系修理を行ったあとシェイクダウンコースに戻って3回の走行を行い、1.9秒差の11番手タイムでシェイクダウンを終えている。

■シェイクダウンタイム
1. T.スニネン 2分01.2秒
2. E.エヴァンス 2分01.4秒
2. J-M.ラトバラ 2分01.4秒
2. S.オジエ 2分01.4秒
5. C.ブリーン 2分01.5秒
6. T.ヌーヴィル 2分01.8秒
7. M.オストベルグ 2分01.9秒
8. E.ラッピ 2分02.2秒
9. H.パッドン 2分02.6秒
10. A.ミケルセン 2分03.1秒
11. O.タナク 2分03.3秒