WRC2017/10/08

スニネンWRC2独走もコペツキが全SSを制して猛追

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 ラリー・デ・エスパーニャのWRC2カテゴリーでは、シュコダ・モータースポーツのヤン・コペツキ(シュコダ・ファビアR5)が土曜日の全ステージを総なめにする、追い上げを見せている。

 チェコ王者のコペツキは、この日の7つのSSすべてでステージ・ウィンを記録したが、前日からラリーをリードしているテーム・スニネン(フォード・フィエスタR5)をトップから引きずり落とすまでには至っていない。最終日を残し、スニネンは44.4秒のリードを保っている。

 この日からサーフェイスがターマックにスイッチすることでコペツキの方が優勢になることを予想していたスニネンは、1日目に得意とするグラベル道路で1分17秒の貯金を築いていた。

 予想通りの展開となったが、スニネンも7つのうちの6つのステージでは2位のタイムを記録し、自らのリードをコントロールすることに成功、44.4秒の力強いリードを保ったまま残されたファイナル・レグの6つのステージ、合計74.26kmに臨む。

「十分なマージンでリードを保つことができているが、重要なのはフィニッシュまで集中を切らさないことだ」とスニネンは語った。「今朝は所々で少し警戒したけど、僕がWRC2をリードしているし、それが最も重要なことだ」

 コペツキから3分近く遅れた3位にはベニート・グエラ(シュコダ・ファビアR5)が続いている。メキシコ出身の彼はインフルエンザの症状も払いのけ、スピンを切り抜けた4位のユーソ・ノールドグレン(シュコダ・ファビアR5)に47.7秒差でフィニッシュしている。

 シモーネ・テンペスティーニ(シトロエンDS3 R5)は終日3位につけていたものの、コントロールに早着してしまったために60秒のペナルティを課せられてしま

 それよっては彼は5位まで順位を下げ、1.4秒差でノールドグレンを追い、そしてポーランドのウーカシュ・ピニオジェック(プジョー208 T16)が6位となっている。

 TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジプログラムの新井大輝(フォード・フィエスタR5)は、前日の大クラッシュのダメージが大きくこの日のリスタートは見送った。

「連続して続く似たようなコーナーの場所で僕がペースノートのヒアリングミスをしてしまった。外側のバンクにぶつかり跳ねて止まったが、当たりどころが悪く再出走が叶いませんでした」と新井はSS3のクラッシュの状況をふり返った。

「気づいたら初めてのWRCスペインだったにもかかわらず、リタイアするまでWRC2で3番手にいて、リザルトを確認したら途中のスプリットまでスニネンやコペッキーと勝負が出来ているのに自分自身驚きました。自分の成長が実感出来たのと同時に、このレベルになると些細なミスも許容されないという現実も知ることができました。この3ヶ月間は今までにないくらい努力して、自分に言い訳出来ないほどラリーに向き合いました。この様な素晴らしい機会を得られたことに感謝しています」

 また、勝田は二日目にリスタート、ターマックでのいい走りに手応えを得ただけに初日のリタイアが悔やまれると語った。

「初日、まさかのミスでアームを曲げてリタイアしてしまいましたが、二日目は気持ちを切り替えてターマックに臨みました。良い感じのハイスピードのターマックステージばかりで余計に悔しい気持ちも大きいですが、逸る気持ちを抑えて明日も最後まで走り切ります!」と勝田は語っている。