WRC2018/10/27

タナク、スペイン勝利にむけて好スタート

(c)Toyota

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 トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームのオイット・タナクは、ラリー・デ・エスパーニャのレグ1で2位以降に対して26.8秒をリード、逆転チャンピオンへの可能性をつなぐためにも優勝を狙うしかない状況のなかで好スタートを切っている。

 前夜に行われたバルセロナ・ステージを3番手で終えたタナクは、金曜日のSS2でベストタイム、SS3で2番手タイムを獲得して首位に浮上、その後も安定したペースをキープしてこの日行われた6SSのうち5つのステージでトップ3に入って26.8秒のリードを築いている。

 チーム代表のトミ・マキネンは、タナクがこのラリーでも強さを証明していると語った。

「今日もオイットは強さを証明し、彼にとっては本当に素晴らしい1日になった。ドライバーズタイトル争いは依然続いているし、3人のドライバーによる戦いはとてもエキサイティングだ。また、ヤリ-マティもとても良い走りをしていた。パンクはアンラッキーだったが、それさえなければきっとラリーをリードしていただろう。彼は十分に自信を持っているし、依然として良い位置につけている。エサペッカにとっては困難な1日となったが、明日のターマックステージを楽しみにしている。明日は降雨の可能性がかなり高いようだが、事前のテストではウェットコンディションでも良いテストが出来ているので、自信を持っている」

 タナクは大きなリードを得たとはいえ、明日からのターマックは雨になると予想されているため、気を引き締めて臨むつもりだと語っていた。

「全体的には良い1日だったね。多くのドライバーが自分より後方の出走順で、良い路面コンディションで走っていた事を考えればなおさらだよ」とタナクは語った。

「朝のステージは良いリズムで走れ、特に最初の2つのステージは流れるようにスムーズな走りをできた。午後も最初のステージは本当に良いフィーリングで、続くステージではその良い感覚が少し失われたが、それでも攻め続ける事ができたので、十分なギャップを築くことができた。とはいえ、ラリーはまだ終わっていない。明日からのターマックは新たなるラリーになる。しかも、どうやらウェットコンディションになりそうなので、気を引き締めて臨まなくてはならない」

 チームメイトのヤリ-マティ・ラトバラはSS3が終了した時点でタナクに続いて総合2位につけていたが、SS4で左リヤのパンクによりおよそ45秒をロス、総合10位まで順位を落としたが、午後のループでは勢いを取り戻して、SS6、7で連続してベストタイムを奪って5位まで順位を上げてきた。ポディウムまでは7.9秒差、2位のダニエル・ソルドも10.2秒と十分に射程圏内だ。

「今日は初めからクルマとドライビングに良いフィーリングを感じていた。最初の2つのステージは上手く行き、3つ目のステージも過去に苦労したターマック区間が途中にあったが、上手く走れた。それなのにパンクをしてしまいとてもフラストレーションが溜まった。しかし、すぐに気持ちを切り替え、午後も同じスピードを維持することができた。あまり考え過ぎずに、思い通りに運転できるのことは明日にむけて良い事だね」

 好調なトヨタ勢のなかにあって、エサペッカ・ラッピは思うようなラリーができなかった。SS2ではブレーキトラブルによるコースオフ、午後もSS5のスピンが響き、本人はマシンの挙動に釈然としないながらも、ロングステージのSS7で4番手タイムを刻むなど、光明は見えた。明日は10位からの起死回生を狙う。

「正直に言うと、とても大変な1日だった。いくつか小さな問題が起こったが、それでも戦い続ける事ができているのが重要だ」とラッピは語った。「今日の最後のステージでは、すべてが正しい状態にあれば良いタイムが出せる事を証明できたが、まだまだ改善すべき点もある。明日からはターマックのステージが始まるので楽しみだが、雨により条件がかなり難しくなると予想されている。僕はそのような路面コンディションでここスペインのステージを走った事はないが、とにかく頑張りたいね」