WRC2020/09/05

トヨタ、ヤリスの性能を全方位で向上させてきた

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTのテクニカルディレクターを務めるトム・ファウラーは、世界ラリー選手権の再開にむけてヤリスWRCのエンジンのパフォーマンスとシャシーコントロールシステムの改善など多岐に及ぶ改善を行ってラリー・エストニアにやってきたと語った。

 新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、今季WRCは3月の第3戦ラリー・メキシコを最後にしばらく中断してきたが、新たにWRCに加わったラリー・エストニアでついにシーズンが再開することになった。エストニアは、チームのホームイベントともいえるラリー・フィンランドに匹敵する高速イベントになるため、トヨタ勢にとって得意のコースになると考えられているが、金曜日の夜7時過ぎからラーディ旧空軍基地のサービスパークに隣接する、全長1.28kmのSS1でセバスチャン・オジエがトップタイムをマーク、エルフィン・エヴァンスが5番手タイム、カッレ・ロヴァンペラと勝田貴元が7番手タイムで並んで順調なスタートを切っている。

 ヤリスWRCのエアロなど外観には大きな変更がないように見えるが、ファウラーはこの休みの間にマシンのパフォーマンスを詳細に調査し、性能を全体的に強化するために開発を行ってきたと説明した。

「前戦からの休みの間に、チームはマシンのパフォーマンスを詳細に調査し、性能を全体的に強化するために開発を行ってきた。今回のエストニアでは、エンジンのパフォーマンスとシャシーコントロールシステムを改善するために、新しいソフトウェアを採用した。さらに軽量化と、エストニアの道に特化したセットアップの微調整も行なうなど、数多くの小さな改善が行われている。チームは自分たちが行ってきた仕事に自信を持っているので、その結果が出ることを楽しみにしている」

「ハイスピードでジャンプがあるエストニアの道は、我々がよく知っているフィンランドの道に似ている。1番の課題は路面で、クルマが走るたびにコンディションが変化するため、特に道幅の狭いテクニカルな道では、注意深く監視し、それに合うセッティングを予測しなければならない。今朝のシェイクダウンを利用して、時間をあけて走行することで路面の変化に対する、そのようなセッティングをチェックすることができた。これは、イベント前のテストで行ったことを確認するための作業だった」