ラリー・モンテカルロはこれまで好天のもとでレッキが行われてきたが、金曜日に悪天候になるとの天気予報は伝えており、スタートを前にしたドライバーたちには緊張感が漂ってる。
月曜日から行われたレッキでドライバーたちが遭遇したステージは10度を超える気温と明るい日差しによって雪や氷はほとんど消え、木曜日の夜のトアール〜システロンのステージなどほんの一部にアイスパッチを残しただけでほぼドライコンディションのステージとなっていた。
しかし、それらは金曜日に大きく変わる可能性がある。寒冷前線がホストタウンとなるギャップの南に位置するオート・アルプ、ドローム、アルプ・ド・オート・プロヴァンス地方をすっぽりと覆うことが予想されているからだ。金曜と土曜のルートの多くが標高800〜1500mにあり、雨と雪が混在する可能性がある。
このようなトリッキーなコンディションになった場合には、タイヤ戦略が大きく勝敗を左右することになるが、ワールドチャンピオンのセバスティアン・オジエは、地元ギャップで生まれたからと言って、ここの天気を予測することはできないと語った。
「確かにここは僕の地元だが、天気を予測することは常に困難だ。金曜日が悪天候になりそうだが、しかし、それがどこかは分からない。低地では雨かもしれないが、峠ではどうだろう? 僕たちのウェザークルーが、適切なタイヤを選ぶための正しい情報を僕たちに提供してくれる」とオジエは語っている。
いっぽう、シトロエンのクリス・ミークは、天気の急変によってレッキで作成されたペースノートが無意味になる可能性があろ、よりいっそうセーフティクルー(アイスノートクルー)の情報は重要になると語った。
「悪天候になりそうだが、僕たちはそれがどの標高のことか、ステージのどこかになるのかまったく分からない。レッキで完全にドライだったステージでは、ペースノートは快適なリズムだったが、ラリーになれば一面の雪かもしれない。ここで重要なことは、ステージではなく天気だ。あまり多くを期待せず、フロントガラスに風景を見たときに、正しいタイヤを選択しているかどうか願うしかない」とミークは語った。
「モンテではセーフティクルーの情報が命綱といってもいいくら重要になる。彼らはまだ真っ暗な午前5時か6時にはステージに向かい、アイスやコンディションに関するすべての情報を僕らのペースノートに提供してくれる。彼ら無しではラリーは非常に困難になるだろう」
ラリー・モンテカルロは木曜日の夜のスタートを前にモナコでも雨が降り始めており、この日のナイトステージのコンディション変化が懸念されている。