ヒョンデ・モータースポーツのチーム代表代行を務めるジュリアン・モンセは、先週のアクロポリス・ラリー・ギリシャにおいてオイット・タナクを優勝させるチームオーダーを出さなかったことで、チームがドライバータイトルを諦めているという報道を否定した。
アクロポリス・ラリーの土曜日、ドライバーズ選手権リーダーのカレ・ロヴァンペラがクラッシュによってポイント圏外でのフィニッシュが決定的となったことで、絶望的な状況だったヒョンデのタイトル争いのチャンスが生まれることになった。
タナクのワールドチャンピオンのチャンスをより高めるために、最終日、ヒョンデがティエリー・ヌーヴィルにチームメイトに勝利を譲るようチームオーダーを出す可能性があると見られてきたが、ヒョンデ・モータースポーツGmbHのショーン・キム社長はショートメールでタナクにポジションをキープするよう指示を出し、タナクを勝利させるという戦略をとらないことをチームとして決定した。
ヌーヴィルはこの勝利で選手権リーダーのロヴァンペラに76ポイントのビハインドまで迫ることに成功したが、逆転タイトルの可能性はきわめて乏しいものだと言わざるをえない。一方、ロヴァンペラから72ポイント離されてギリシャを迎えていたタナクは、2位でフィニッシュしたことで53ポイント差に迫ったが、もし、ヒョンデがオーダーを出していればポイント差はさらに小さい46ポイント差へと縮まっていたはずだった。
モンセは、タナクのタイトル獲得を有利な状況にすることを拒否したにもかかわらず、ヒョンデがロヴァンペラを捉えることを諦めたわけではないと主張した。
「我々は諦めてないし、どちらのドライバーにも可能性がある。可能性は非常に低いが、最終日のメインターゲットは3つの表彰台を確保することだった、これはチームにとって歴史的なことだったからね」とモンセは語った。
タナクが2位のポジションにとどめる決定は、ロヴァンペラをタイトル獲得に近づけることを意味するのでは? と問われ、モンセは誰のタイトルもまだ決まったわけではない主張した。
「タイトルもまだ決まったわけではない」とモンセは語った。「そうだね、確かにそうだが、以前から状況は難しかった。これからもその状況は続くが、まだ彼が勝ったわけではないのだ。そして何度も言うが、我々には考慮すべきパラメータがたくさんある」
モンセは、そのパラメータが何であるかについては、言及を避けた。
「それは言えない。しかし、我々は大企業であり、利権もあれば、マーケティングもあり、たくさんのものを考慮しなければならないのだ」