ERC2019/05/29

ルクヤヌク、狂気の速度違反に厳罰

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 ラリー・リエパーヤ主催者は、2度にわたって狂気じみた速度違反を犯したアレクセイ・ルクヤヌクに対して罰金5,000 ユーロ(およそ61万円)を科し、さらに公道での安全性を著しく欠いた行為があったとしてスチュワードは執行猶予付きの選手権ポイント剥奪という厳しい罰則を追加した。
 
 ルクヤヌクは最終日の朝、オープニングSSに向かうロードセクションにおいて2度にわたって速度違反を行っている。1回目は制限速度50km/hの市内の道路で124.9km/hを出して74.9km/hオーバー、2回目は制限速度90km/hの郊外の道路で161.9〜168.5 km/hを出しておよそ78km/hオーバーしていたことがGPSのトラッキングシステムの記録から判明しており、リエパーヤの競技委員会はそれぞれ計測の誤差10km/hを考慮したうえで、1回目は64km/h、2回目を68km/hオーバーと判定、1回目の違反を1km/hあたり25ユーロ、2回目の違反を1km/hあたり50ユーロと計算して、ルクヤヌクに対して合計5,000 ユーロを48時間以内に支払うことを命じている。

 ラトビアの交通法規では51km/hを超える速度違反の場合、警察はただちにドライビングライセンスを剥奪してそれ以上運転することを認めないと定められており、ラリー・リエパーヤ主催者はルクヤヌクの速度違反があまりにも危険だったとしてスチュワードに報告、ラリーがゴールしたあとスチュワードミーティングにチームとクルーを召喚して聴き取り調査を行っている。

 ルクヤヌクはスチュワードミーティングにおいて、「ブレーキに問題をかかえており、修理が必要だったが、次のタイムコントロールまでの時間は短く、ほかに走行しているクルマはなかったので、速度を超えて走行してしまった」と説明するとともに、スポーツマンとしてふさわしくない行為だったとして謝罪している。

 スチュワードは、ルクヤヌクがマシンに問題を抱えて頭に血が上っていたとの説明を理解しつつも、公道において必要な安全性を欠いた速度違反という行為が8時26分から46分の20分間において14分間も継続していたことを重くみるとともに、世界的な道路セーフティを進めるFIAの競技において、道徳的な侵害を引き起こした行為は許されないとして、リエパーヤ主催者が科した罰金に加えて、さらに厳しい罰則を科すことを決定、ルクヤヌクに1年間の執行猶予付きの選手権ポイント剥奪ともに10日間にわたる道路安全に関する公益作業への奉仕を義務付けるという罰則を追加した。ルクヤヌクが今季のヨーロッパ選手権でふたたび公道で速度違反を犯した場合には、リエパーヤで獲得した30ポイントは剥奪されることになる。