ERC2018/05/06

ルクヤヌクがERCカナリアスを圧勝、今季2勝目

(c)ERC

(c)ERC

 FIAヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第2戦ラリー・イスラス・カナリアスは土曜日に最終日を迎え、ロシア・パフォーマンス・テクノロジーズのアレクセイ・ルクヤヌク(フォード・フィエスタR5)がこの日も6ステージのうち5ステージでベストタイムを奪う圧巻の走りでリードを広げ、2位のスポーツ・レーシング・テクノロジーズのニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)に51.3秒をつけて開幕戦に続いて2勝目を獲得することになった。

 21.3秒をリードして最終日を迎えたルクヤヌクは、オープニングステージのSS9アルカスで2位につけるグリアジンに3.7秒差をつけるベストタイムでスタートする。グリアジンも負けじとSS10でベストタイムを奪うも、0.1秒しか縮めることができない。彼はステージエンドで「アレクセイは速すぎるので、僕らはポジションをキープすることに専念する。このあとはセーフティに行くよ」と語り、総合2位とともにERCジュニア・アンダー28選手権の勝利を確実なものとするために、ルクヤヌク追撃を諦めることになった。

 ルクヤヌクも「クリーンに行っており、リスクは犯していない」と言いながらも、SS11以降の4ステージで連続してベストタイムを奪い、最終的にグリアジンに51.4秒差をつけてアソーレスに続く、2勝目を飾ることになった。

「素晴らしい週末だった。週末を通してずっと気持ちよくプッシュし続けたよ。スポンサーとチーム、そしてファンたちに感謝したい」とルクヤヌクは喜びを語っている。

 ERC U28選手権優勝を決めたグリアジンの後方では、シュコダ・アウト・ドイッチュランドのファビアン・クライム(シュコダ・ファビアR5)と地元スペインのホセ・スアレス(ヒュンダイi20 R5)による総合3位をめぐる激しいバトルとなったが、終盤でポップオフバルブの制御に問題を抱えたスアレスが遅れ、クライムが18.9秒をリードして初のERCポディウムを飾るとともにERC U28選手権の2位を獲得することになった。

 クライムはロードセクションでポリスに止められたために最終ステージのスタートに2分遅着していたことからゴール後に20秒のペナルティを加算される恐れもあったが、避けられない事情であったとしてペナルティはキャンセルされている。

 プジョー・ラリーアカデミーのローラン・ペリエ(プジョー208T16)は、前日に引き続いてポップオフバルブの不調に悩まされるブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)をオープニングSSで抜いて6位へと浮上、さらに5位につけていたBRCレーシングチームのピエール・ルイ・ルベー(ヒュンダイi20 R5)が電気系トラブルのためにSS11でリタイアとなったため5位へと順位を上げている。

 6位にはポーランドのグジェゴシュ・グジェブ(シュコダ・ファビアR5)が続き、マガラエスは7位に終わることになった。

 大接戦となったERCジュニア・アンダー27選手権は、オープニングSSで初日をリードしたADACオペル・ラリー・ジュニアチームのマーティンシュ・セスクス(オペル・アダムR2)がペースノートをロストして3位へと後退する波乱が待っていた。このステージでは地元のエフェリン・ヤレナ(プジョー208 R2)が素晴らしいベストタイムを奪ってセスクスを抜いて開幕戦勝者のディオゴ・ガゴ(プジョー208 R2)に0.9秒差に迫ることになる。

 しかし、ヤレナはSS10でクラッシュしてフロントを大破してリタイアとなり、セスクスの追撃を振り切ったガゴが開幕から2連勝を飾ることになった。