WRC2019/06/02

ロヴァンペラ、WRC2プロの首位を奪い返す

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(c)Toyota

 シュコダ・モータースポーツのカッレ・ロヴァンペラは、ラリー・デ・ポルトガルの土曜日、チームメイトのヤン・コペツキからWRC 2プロのリードを取り返して首位を独走。これがWRCデビュー戦となるシュコダの新しいファビアR5エボとともに素晴らしい走りを見せている。

 ロヴァンペラは昨日のパンクによってリードを失ったが、土曜日の最初のSSで4.8秒の遅れを覆して首位を奪還、そのまま徐々にリードを広げることになった。

 一方のコペツキには、この日最大のドラマが待ち受けていた。彼はSS11のジャンプのあとの激しい着地によってマシンのボンネットの留め具が壊れてボンネットが開きっぱなしになったため、前方の視界がほとんど無い状態でステージの多くをドライブするはめになった。

 ロヴァンペラは今日の過酷なグラベルステージで6つのSSのうち5つを勝利してコペツキに61.5秒の差をつけ首位を取り戻した。

 金曜日を3位で終えたウーカシュ・ピニオウジェック(フォード・フィエスタR5)はブレーキを失って木にクラッシュし、リタイアとなった。そのためシトロエンC3 R5を駆るマッズ・オストベルグが約20分遅れの3位となっている。

 WRC 2でもドラマが次々と起こり、一時、トヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムの勝田貴元(フォード・フィエスタR5)が再びリードを手にすることになったが、ホイール破損により無念のリタイアとなり、ピエール-ルイ・ルベー(シュコダ・ファビアR5)が1分57.7秒のリードを手にした。

 土曜日をリードして迎えたオーレ・クリスチャン・ヴェイビー(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)がSS10を走行中に出火してリタイアし、さらにこのステージでは2位につけていたニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)もパンクしたため、初日のパンクで首位争いから後退した勝田が再びリードを取り返すことになった。

 速さを取り戻した勝田は、前戦チリに続く2勝目のチャンスもあるかに見えたが、SS12を走行中にリヤホイールのディスクが突然破損、アルゼンチンでもまったく同じような状況でマシンを止めているだけに彼は「悔し過ぎて言葉にならない」とSNSでコメントした。

 ライバルたちのトラブルで首位のルベーは2分近い大差を手にして、明日の最終日にWRC2初勝利を賭けて挑む

 2位で続くのはエミール・ベルクヴィスト(フォード・フィエスタR5)、さらに18.7秒遅れてベテランのヘニング・ソルベルグ(フォード・フィエスタR5)が3位につけた。2位につけていたエーリック・ピエタリネン(シュコダ・ファビアR5)は、この日の最終ステージでサスペンションが故障し、4位に転落した。5位にはパンクで優勝のチャンスを逃したグリアジン、選手権リーダーのベニート・グエラ(シュコダ・ファビアR5)が6位となっている。

 また、ヤリ・フットゥネン(ヒュンダイi20 R5)はこの日の最初のステージでクラッシュによってリタイアとなった。