WRC2018/10/04

ローブもシトロエンのGBプレテストに緊急参加

(c)Sebastien Loeb

(c)Citroen

 先週、シトロエン・レーシングがウェールズで行ったラリーGBにむけたプレテストに9回の世界ラリーチャンピオンであるセバスチャン・ローブが参加し、報道陣を驚かせた。

 シトロエンのラリーGBでのドライバーズラインナップはクレイグ・ブリーンとマッズ・オストベルグによる2台体制となる。ローブは今季、シトロエンで3ラウンド限定のWRC復帰プログラムに取り組んでおり、あとは10月末にミックス路面で行われるラリー・デ・エスパーニャへの参戦を残すだけとなっている。

 なぜローブがハフレンで行われたシトロエンのテスト初日に召集されたのか尋ねられたチームの広報担当は、次のように答えた。「彼はメキシコ以来、C3
WRCをグラベルでドライブしていないので、これは理にかなっている」

 ローブはWRC復帰戦となった今年初めのメキシコではリードし、パンクによって5位に後退した。次のツール・ド・コルスでも2番手タイムでスタートして優勝争いへの期待がふくらんだが、朝のステージでクラッシュした。

 ウェールズの森林ステージは天気が変わりやすく、グリップレベルが刻々と変化する路面を制するためには豊富な経験が求められる。オストベルグはこれまでにラリーGBに12回の出場経験をもち、2011年に2位、2014年にはシトロエンでの3位と2回表彰台を獲得している。彼は、プレテストでいいフィーリングが得られたため、自信を持ってスタートすることができると語った。

「僕はこのイベントが本当に好きだ。ここでは何度か良い経験をした。昨年C3 WRCはここの道で快適だったし、先週のプレイベントテストはかなり実りが多かったので、僕は自信を持ってスタートすることができる」とオストベルグ。

「このようなラリーでは、思いっきりプッシュしている時に、マシンと1つになり、ペースノートに厳密でいる必要がある。そうして初めて、非常にスリッパリーなセクションで突然グリップが変わっても乱されることなく攻めることができるんだ」

 アイルランド出身のブリーンにとっては、母国ラウンドともいえるイベントだ。8回目の出場となる今年は、スウェーデン以来となる表彰台が期待される。

「母国に近いところでのラリーなので、もちろん僕にとっては特別な一戦になる。すばらしい思い出もたくさんある」とブリーン。

「ここの道は熟知しているし、プレテストでもいいフィーリングで走ることができたので、がんばっていいリザルトを狙いたい。ここではグリップレベルを見極めるのが本当に難しい。できるだけ早くグリップのレベルを判断することが重要になるが、自分の感覚を信じ、ダートやグラベルの色に注意して、さらにこれまでの経験を頼りにしていかなければならない。もしドライならかなりラフになりやすいので、タイヤのマネージメントも重要になるだろう」