WRC2019/10/07

勝田貴元、初出場のラリーGBで完走を果たす

(c)Toyota

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 トヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムの勝田貴元が、10月3-6日に開催された、世界ラリー選手権第12戦ウェールズ・ラリーGBに初参戦、R5車両によるRC2クラス6位、総合14位で完走を果たした。

 長い伝統を誇るラリーGBは、今年も断続的な雨によって滑りやすい泥に覆われた典型的なウェールズ・ラリーGBのトリッキーなコンディションとなった。コーナーごとに路面のグリップは変化し、その見極めは非常に難しく、豊富な経験が必要となる。

 勝田は、WRCの中でも難易度の高さでは上位に入るラリーGBにコドライバーのダニエル・バリットと共にフォード・フィエスタR5 Mk2で参戦、初出場の彼にとって大きなチャレンジとなったが、2年前にここで総合優勝を果たしたバリットの、的確なアドバイスが大きな助けとなった。

 勝田はできるだけ多くの経験を積むため、絶対に大きなミスをしないよう注意深いアプローチで走行したが、いくつかのステージではR5車両上位のタイムを記録、WRC 2プロや、WRC 2にエントリーした多くの強豪選手と順位を競い、最終的には全R5車両の中で6位まで順位を上げ、完走を果たすことになった。

 勝田にとって初参戦のラリーGBは想像以上にタフなチャレンジとなったが、彼は将来にむけて手応えを残す体験ができたとふり返った。

「ラリーGB初出場だった自分にとって、本当にタフな週末でした。全てが初めての経験でしたので、コンディションに合ったドライビングを見つけなくてはなりませんでした。また、毎日がとても長く、集中力を切らさないようにするのは大変でした。簡単なラリーではありませんでしたが、とても楽しめたのも事実です」と勝田は語っている。

「泥が多く滑りやすい路面ではドリフト走行が有効で、それは自分にとって新しい発見でした。この難しいラリーを走りきり、フルに経験を積むことが唯一の目標でしたので、それを実現できたのは非常にポジティブです。今回多くのことを学びましたので、もし来年再び出場する機会があったとしたら、先を読んだ戦いができると思います」

 ラリーチャレンジプログラムのインストラクターを務めるヤルッコ・ミエッティネンは次のように語った。

「この難しく特徴のあるラリーで、将来に向けた学びを得るために参戦した。大きなリスクを冒すことなく、高いスピードを保って走り切る事が目標でしたが、タカとダンは事前に決めた戦略通りに安定した走りを続け、完璧に仕事を遂行した。今回のラリーGBのR5クラスは、最高レベルの戦いが繰り広げられたので、その中での6位は非常に良い結果だと思う」

 勝田は、10月25-27日に開催される次戦のラリー・デ・エスパーニャにはトヨタ・ヤリスWRCで参戦する。8月に行われたラリー・ドイッチュランド以来2戦目となるWRカーによるWRCチャレンジとなる。