ERC2022/08/30

アクシデントのクルーたちが健康を喜びあう

(c)Alberto Battistolli

 先週末のバルム・チェコ・ラリー・ズリーンの初日に大きなアクシデントに見舞われたERCチャンピオンのエフレン・ヤレーナとサラ・フェルナンデス、そして最終日に同じように大きなクラッシュを喫したアルベルト・バッティストーリとシモーネ・スカットリンの2クルーが同じ病室に集まり、誰もが深刻なケガでなかったことを喜びあった。

 ヤレーナとコドライバーのフェルナンデスは、土曜日の朝、激しい雨となったSS3ドラジュコヴァ・ステージでステアリングを壊したことでコースオフ、マシンは崖から落ちて立ち木に正面からクラッシュすることになった。マシンは衝撃でエンジンが脱落してしまうほどフロントを大破したが、幸いにも二人は自力でマシンから脱出して崖をよじ登り、検査のために病院に運ばれている。

 脊椎を構成する椎骨の1つに損傷があることがわかったヤレーナは、事故から一夜明けてファンのみなさんに心配をかけたことを詫びるメッセージを公開するとともに、このあとはスペインに帰国して治療を行うことになると報告した。

「みんなに心配をかけてしまった。ラリーでは残念ながら悪い部分が出ることがある。タイヤをポールにぶつけてしまい、それでステアリングが壊れて、真っ逆さまに落ちて立ち木に突っ込んでしまったんだ」とヤレーナはソーシャルメディアでコメントしている。

「病院で検査した結果、サラ(・フェルナンデス)は元気で、僕は椎骨が折れているとのことだ。治療については帰国して医師とどうするかを決めることになる。そのために解決策を探ってくれたチームのみんな、家族、そしてスペイン王立モータースポーツ連盟とMRFレーシングのメンバーに感謝したい。また、会おう」

 フェルナンデスには骨折などの問題は見つからなかったが、あまりの衝撃の大きさから安全のために経過観察のため一晩入院することになったが、翌日には病院をあとにした模様だ。

「土曜日、バルム・ラリーでハードなクラッシュをしてしまったが、私は大丈夫です」とフェルナンデスは日曜日の朝にソーシャルメディアでコメントを発表している。

「エフレンは椎骨を骨折していますが、早く回復するようにしっかりケアしていきます。私は午後には退院する予定です」

「主催者のみなさん、救急車や病院で私たちによくしてくれた医療スタッフ、医師たちに感謝したいです。(スペイン王立モータースポーツ連盟の)マヌエル・アヴィーニョ(副代表)とホセ・ヴィンセント・メディーナには、最初の1分からお付き合いいただき、ありがとうございました。MRFレーシングの皆さんにも感謝を伝えたいと思います、ありがとうございました」

「チェコは特別なラリーで、母や友人たちがタイトルのお祝いに来てくれていました。ここにいてくれてありがとう。そして応援メッセージを下さった皆さん、ありがとうございました」

 ヒヤリとさせたのはバッティストーリのアクシデントだ。彼は、チェコ最終日のSS11ブンチでアクアプレーンを起こしてハイスピードでコースオフ、路肩に積まれていた丸太にフロントから激突してリタイアとなった。事故現場に到着した後続のマシンが「まるで悪夢のようだった」とレポートしたように、バッティストーリのシュコダのフロントエンドは完全に破壊、ヤレーナと同じように衝撃でエンジンが吹き飛んでいた。

 バッティストーリもコドライバーのスカットリンも病院で搬送されて検査を受けたが、幸い二人とも大きなケガはなく、靱帯を傷めたバッティストーリは松葉杖が必要となったが、スカットリンも予防措置のために一晩入院しただけで済んだ。

 バッティストーリはソーシャルメディアで二人とも元気であることを、写真とともに報告している。「僕らは元気だよ! シモーネ・スカットリンは、幸いにもどこも骨折しておらず、月曜の朝には退院できるそうだ」

「僕の場合は、左ひざの靭帯が切れたみたいだ。ここで自撮りをして、自分を慰めたい。エフレンとサラの回復を祈っているよ!」