Raid2024/01/09

アル-ラジがダカール首位に、ローブは3本のパンク

(c)RedBull Content Pool

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 2024年のダカール・ラリーは、トヨタGAZOOレーシングのルーカス・モラエス(トヨタGRダカールハイラックスEVO T1U)が第3ステージを制し、ヤジード・アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブT1+)が総合首位を奪った。

 アル・ドゥワディミからアル・サラミヤまでの438kmの第3ステージは、ステージのリードが何度も入れ替わる超激戦区間となり、昨年のダカールで初挑戦初表彰台を成し遂げたモラエス、チーム・アウディ・モータースポーツのマティアス・エクストローム(アウディRS Q E-TRON E2 T1U)、アル‐ラジ、そして昨年王者のプロドライブのナッサー・アル‐アッティーヤ(プロドライブ・ハンターT1+)の間で4つ巴の首位争いが展開された。

 残り100kmを少し過ぎ、残りはほとんどダートという状況で、モラエスがリードしていたが、352kmのチェックポイントでアル‐アッティーヤが4秒差でトップに立った。

 アル‐アッティーヤは最後から2番目のチェックポイントでモラエスに対して22秒差までリードを広げ、今大会初のステージ優勝を決めたかに見えたが、モラエスはステージエンドに向けて見事なスプリントを見せ、エクストロームに9秒差をつけて初ステージ勝利を収めた。

 最終的に、アル‐アッティーヤはモラエスから1分33秒遅れの4番手タイムとなり、3番手タイムのアル‐ラジがカルロス・サインツ(アウディRS Q E-TRON E2 T1U)を抜いて総合首位に立った。

 アル‐ラジはハイラックスから飛び降りると笑顔をみせた。「もちろん、ダカールは1日では勝てないさ。昨日は厳しいステージで何度も引き返さなければならなかったが、今日はナビゲーションには問題もなかった」

 サインツはほとんど横転しそうになる危ない瞬間を経験しながらも6番手タイムでフィニッシュし、総合タイムではアル‐ラジから26秒遅れの2位に後退した。

「僕にとっては完璧なステージではなかった。5分ほど失って、そのあとスピードを出して走っていたが、マティアス(・エクストローム)の後ろについてしまって、危うくマシンを横転させるところだった。パンクして、衝撃検知装置などをリセットするためにストップしなければならなかった」とサインツはステージ後に説明した。

 サインツのチームメイトであるエクストロームは、首位から8分26秒遅れの総合3位、モラエスはステージ優勝で総合4位に浮上し、アル‐アッティーヤは首位から10分49秒遅れの総合5位までポジションを上げてきた。

 モラエスは、パンクもなく安定した走りができたと一日をふりかえっている。「信じられないようなステージだった。ナビゲーションがとてもトリッキーだったが、アルマンド(・モンレオン、コドライバー)はすべてにおいて的確だった」とモラエスはステージエンドで語った。「ペースも良かったし、僕らはパンクもしなかった。セス(・キンテロ、チームメイト)を助けるために止まって、スペアホイールを彼に渡したんだ。完璧な1日だった」

 前日にはダカール・ラリー通算50回目のステージ勝利という歴史的快挙を挙げたばかりのステファン・ペテランセル(アウディRS Q E-TRON E2 T1U)が総合6位、センチュリーレーシングのマシュー・セラドリ(センチュリーCR6-T)とレベリオンレーシングのロマン・デュマ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブT1+)が7位と8位につけている。

 9度の世界ラリー王者であるセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンターT1+)は、第1ステージのパンクで19位に後退したあと、前日には2番手タイムで3位へとポジションを戻したが、第3ステージで3度のパンクに見舞われてしまった。ハンターにはスペアタイヤは2本しか積んでいなかったため、彼はこのステージで23分の遅れをとった。総合順位では、首位から24分58秒遅れの総合9位へと後退してしまった。

「3回もパンクしてしまった! 3回目のパンクのあと修理しなければならず、難しい一日だった。タイヤの修理と空気入れに多くの時間を費やした。その後も走行中に空気が抜けてしまったので20kmおきにストップしなければならず、かなりタイムを失ってしまった」

「パンクを避けるためにステージでできることはすべてやろうとするが、それでもパンクしてしまう。パンクしたのはすべてタイヤのトレッド部分だったので、僕たちが石の中で激しくプッシュしたわけでもなく、少し運が悪かったと思う。イライラするよ。ゆっくり走っていてパンクすることもあれば、速く走っていてもパンクしないこともある。どうやってそれに対処するのかは本当に難しいし、誰もがそれに苦労している。25分の遅れは、かなり大きいね」

 また、トヨタGAZOOレーシングのセス・キンテロ(トヨタGRダカールハイラックスEVO T1U)も不運な2度のパンクを喫して4位から11位に後退した。首位からは27分あまりの遅れだ。

「カルロス・サインツの後を30、40キロ走っていたんだ。彼は左端にいて、僕は右端にいたんだけど、彼がバイクを見てハンドルを切った。僕はバイクを避けたけど、岩にぶつかって(パンクして)しまった。悪いニュースだったよ」

 ダカールは火曜日、アル・サラミヤからアル・ホフフの299kmで争われる。