WRC2016/10/11

ウィルソン、次期WRカーの安全性を高評価

(c)FIA

 Mスポーツ代表のマルコム・ウィルソンは、2017年の世界ラリー選手権で投入されるダイナミックな新世代WRカーは、現行のマシンよりもはるかに安全性が高くなっていると賞賛した。

 来年は5つのマニュファクチャラーから最新のマシンが登場する予定となっており、現在、最終スペックの決定のための開発作業は大詰めを迎えている。ウィルソンのMスポーツ・ワールドラリーチームも先週、スペインにおいてフォード・フィエスタRS WRCの最新バージョンを先ごろ、オット・タナクのドライブによってテストを開始している。

 ドライバーやチームオーナーとして40年以上に渡ってラリーに関わってきたウィルソンは、2017年のレギュレーションは安全面で「大きな前進」を遂げたことが特徴だと語った。

「2017年は素晴らしい新時代の幕開けだ。マシンは非常にスペクタキュラーとなるだろう」とウィルソンは語った。

「もちろん安全面にはさらに沢山の労力が注がれてきた。私はそのことが大変嬉しい。なぜなら、ドライバーとコドライバーは我々にとって最も大切な資産だからね」

「新しいWRカーではボディシェルの安全性が向上し、マシン上のすべての面において安全性のレベルが現在よりも高まった。我々は安全性の面で新たな基準を敷いた」

 マニュファクチャラーとFIAは、モータースポーツの安全のためのグローバル研究所と連携して、特にサイドからの衝撃に対してクルーを保護することを強化するために取り組んできた。

 マシン内の衝撃吸収発泡体のためのスペースは、200mmから240mmに増加し、座席により近い場所に配置され、初めて彼らの背後まで延長される。また発泡体は、以前よりもより吸収力を持つ。

 その他の改良点は、物が車を貫通することを防ぐためにドア枠の強化が必須となる他、衝突時の頭部の動きを制限するためにシートにパッドが追加される。

 ウィルソンは、安全性が向上したと語った。

「ロールケージのデザインに大きな前進があった。今ではマシンのメイン・ストラクチャーがすべてのサスペンションポイントに繋がっているので、基本的に負荷はすぐにボディシェル全体のあらゆる場所に分散される。しかし、それは(改善の)ほんの一部だ」

「今の座席は安全なシェルのようなものだ。現在それもデザインされているので、新しいマシンに導入され、乗員とドライバーがけがをしないように保護してくれるだろう」

「すべてのチームが互いに競い合い、勝利を目指している。しかし、安全性の面では皆が団結している」と彼は語った。