WRC2017/05/21

オジエ、ポルトガルで今季2勝目を獲得

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　2017年世界ラリー選手権（WRC）第6戦のラリー・デ・ポルトガルは21日に最終日を迎え、Mスポーツ・ワールドラリーチームのセバスチャン・オジエ（フォード・フィエスタWRC）が開幕戦ラリー・モンテカルロに続く今季2度目の優勝を飾り、2位にはティエリー・ヌーヴィル（ヒュンダイi20クーペWRC）が15.6秒差で続くことになった。

　ポルトガルの最終日は、10万人を超える観客が集まるという大きなジャンプで有名なファフェ（11.18km）から始まり、ルイアス（11.91km）、モンティム（8.66km）という新しい2ステージを走ったあと、ファフェの2度目の走行がライブTVのパワーステージとして行われる、わずか4SS/42.93kmの一日だ。

　オジエは二日目を終えてティエリー・ヌーヴィルに対して16.8秒をリード、残された距離を考えれば十分なマージンを築いており、彼はオープニングSSのファフェでも慎重なペースを選び、パワーステージにむけてペースノートをチェックするための高速レッキを行ったかのように4番手タイムにとどまることになった。

　いっぽう、ヌーヴィルもここで0.8秒を縮めたものの、もはやオジエを無理して追うつもりはない。「最終日に16秒差があったら、誰もオジエを追うことは出来ないよ！ クレバーに行ったよ」と語り、彼もまた最後のパワーステージで可能なかぎり多くのボーナスポイントを狙う戦略だ。

　
　オジエはSS17ルイアスでベストタイムを奪ってリードを19.3秒まで広げたものの、確実に勝利を奪うことを優先、最終ステージでも十分な余裕をもって5番手タイムでフィニッシュ、ヌーヴィルに15.6秒差をつけて今季2勝目を獲得するとともに、伝説のフライングフィン、マルク･アレンがもっているポルトガル5勝記録に並ぶことになった。

「間違いなく最高の気分だ。表彰台のてっぺんにまたのぼることができて感激しているよ。チームのおかげだ、新しいクルマは完璧だった。素晴らしい。モンテでも新しいクルマで勝利して、そしてここでも勝ったからね！」とオジエは喜びを語った。
　
　ヌーヴィルは、パワーステージで2番手タイムを奪ってボーナスポイントを獲得、ドライバーズ選手権でも2位に浮上している。
　
　土曜日にサスペンションを壊して首位から転落したオット・タナク（フォード・フィエスタWRC）は最後まで表彰台を諦めず、ダニエル・ソルド（ヒュンダイi20クーペWRC）にプレッシャーをかけてきたが、ソルドがコルシカに続く今季2度目の表彰台に立ち、ヒュンダイが2-3位を占めることになった。それでもタナクが4位で続くことになったため、Mスポーツ・ワールドラリーチームはマニュファクチャラー選手権でのリードを26ポイントへと広げることに成功している。

　クレイグ・ブリーン（シトロエンC3 WRC）は今回もシトロエン最上位となる5位でフィニッシュ、エルフィン・エヴァンス（フォード・フィエスタWRC）はパンクなどの不運もあったがここでも速さをみせて6位で続くことになった。

　土曜日のエンジントラブルで順位を落としたユホ・ハンニネン（トヨタ・ヤリスWRC）が7位、初めてのDMACKタイヤのラリーでペースをつかめなかったマッズ・オストベルグ（フォード・フィエスタWRC）がファフェのステージで鬱憤を晴らすかのような跳躍をみせて8位でフィニッシュした。

　また、初日の横転のあと13位まで後退したヤリ-マティ・ラトバラ（トヨタ・ヤリスWRC）が9位まで順位を戻してフィニッシュ、土曜日のコースオフで順位を落としたエサペッカ・ラッピ（トヨタ・ヤリスWRC）も最終ステージでも4番手タイムを叩き出し、パワーステージでも初めてのボーナスポイントを奪い、WRカーデビューを10位でゴールした。

　また、二日続けて不運なリタイアとなったヘイデン・パッドン（ヒュンダイi20クーペWRC）は、ラリー2で16番手のポジションからリスタート、SS16とSS18の2つのステージでベストタイムを奪って気を吐いてみせた。

　WRCの次戦は6月8〜11日に行われるラリー・イタリア・サルディニアとなる。