WRC2018/08/19

オジエ痛恨のパンク「いまは泣きたい気分」

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 Mスポーツ・フォードのセバスチャン・オジエは、ラリー・ドイッチュランドの首位争いのさなかにSS13パンツァープラッテで痛恨のパンクに見舞われてこの日を7位で終えることになった。彼は「いまは泣きたい気分だ」とがっかりした表情で語ったが、まだ選手権の戦いを諦めるつもりはない。

 オジエは、朝のループでステージごとに首位のオイット・タナクと激しい攻防をみせたが、SS13パンツァープラッテをスタートした直後にパンク、残りが30km以上あるためタイヤ交換を余儀なくされ、1分43秒を失って9位へと後退することになってしまった。

 しかし、オジエは諦めることなく、SS14フライツェンでもぎりぎりの走りをみせてベストタイム、さらにSS15ルーマーシュトラッセでも3番手タイムを並べ、6位のアンドレアス・ミケルセンの0.5秒後方の7位へと順位を上げている。

「出来る限りプッシュした。すべてのリスクを冒して攻めた。なぜなら、僕にはもうこれ以上失うものはないからね」とオジエは語った。

「パンクについては当然がっかりしている。どうして起きたか分からないが、いまは泣きたい気分だ」

「あのステージにはそこらじゅうに多くの石が転がっていた。それでパンクするかどうかはいつも宝くじのようなものだが、残念ながら今回はこの宝くじに当たりはでなかった」

 オジエは選手権リーダーのティエリー・ヌーヴィルと21ポイント差でドイツをスタートしたが、最終日もこのままのポジションでゴールを迎えた場合、その差は27ポイントへとふたたび広がることになる。

「今週末、僕らは力強いパフォーマンスができていたのに、それが無駄になってしまった。この週末はもう多くは望めないし、パワーステージでもわずかなポイントしかない。しかし、僕らはもっと強力になって戻ってくるつもりだ」

 Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチーム代表のマルコム・ウィルソンは、素晴らしい優勝争いが失われたことにがっかりしていると語ったものの、選手権のタイトル争いはまだ終わってないとチームにむけて明確なメッセージを残している。

「まだチャンピオンシップの3分の1は残っている」とウィルソンは語った。

「パンクがあったことは彼にとってもチームにとってもがっかりするニュースだった。しかし、これですべてが終わりではなく、セブがそのあとのステージで何をしたのかを見れば、彼は何も諦めていないことははっきりしている」

「僕らは諦めることはない。彼がタイヤを交換したあと再びドライブを開始したときの彼の強い意志は、信じられないほどだった。セブは最高のドライバーだ。あのパンクの後に見せた姿は、間違いなく真のチャンピオンのものだった」