WRC2022/01/28

ガルミッシュ「なんてクレイジーなストーリー」

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 イザベル・ガルミッシュは、先週末のラリー・モンテカルロで長年の友人だったセバスチャン・ローブのコドライバーとしてWRC初勝利を飾ったことを夢のようだと語った。

 ローブは、ハイブリッド時代の幕開けとなる最初のラリーとなったモンテで宿敵セバスチャン・オジエとの一気討ちを制して通算80回目のWRC勝利を飾ることになり、ガルミッシュは、1997年のモンテカルロでピエロ・リアッティのコドライバーとして優勝をともにしたファブリツィア・ポンス以来、女性としてWRCポディウムの最上段に立つことになった。

 ちなみに25年前にポンスが勝利したモンテカルロは、ハイブリッドRally1カーの前身となるWRカー時代の最初のイベントだった。

 フランス選手権などでコドライバーとしての豊富な経験をもつガルミッシュだが、ふだんはドゥーブル県ベソンクールのCFA(職業訓練学校)で数学の教師をしている。

 ガルミッシュは、1週間本業をそっちのけにしたが、史上最も成功をおさめているラリードライバーのパートナーとして彼女自身がモンテカルロで優勝できたことは、生徒たちにとっても衝撃的なニュースになっただろうと語った。

「学校ではかなり控えめにしていて、イベント前には生徒たちには多くを話していなかったから、今度私に会った時にはすごく驚くんじゃないかと思う」と、ガルミッシュは受け取ったばかりのトロフィーを手にして語っている。

 ガルミッシュのラリー経歴は1995年にまで遡るが、これまでに出場した228戦の多くはフランス国内レベルのラリーであり、先週までのWRCイベントへの参戦はわずか6戦にとどまっていた。もちろんその中にトップレベルでの参戦は含まれていない。

 ガルミッシュは以前からローブのグラベルクルーを務めてきたが、実際にWRCでローブのパートナーを務める日が来るとは想像もしていなかったと語った。

「ダニエル(・エレナ、ローブの元コドライバー)がラリーから引退することを決めた後、セブが電話で、モンテカルロを一緒にやらないかと誘ってくれた。当然のごとくイエスって即答したわ」と彼女は説明している。

「彼とはシトロエンやヒュンダイでも、ダニエルの都合がつかなかった時に何度も一緒にテストセッションを走ってきたけど、実践で一緒に走るのは初めてだった、そしてこの素晴らしい結果よ」

「まるで夢のよう。ラリー・モンテカルロであんな良いクルマでセブと一緒に走るってことだけでも夢みたいな話なのに、それに本当に勝利するなんて、これ以上に凄いことなんてない。なんてクレイジーなストーリーなの!」

 モンテカルロは、3度の首位の入れ替わりを経て、最終ステージの1つ前のステージでのパンクによってオジエがトップを明け渡すことになり、ローブとガルミッシュが劇的な勝利を飾ることになった。ローブはガルミッシュが大舞台にもかかわらず完璧な仕事をしてくれたと称賛した。

「このクルマはコドライバーにとっては本当に難しいし、彼女も読み上げることがたくさんあったが、彼女のリズムは完璧だったし、どのようにやっていけばいいのかを本当に良く理解していた」とローブは熱く語っている。

「彼女はフランス選手権では経験も豊富だが、WRCでは(クルマの)周りでやることがもっとたくさんあったから。彼女は素晴らしい仕事をしたよ」