ERC2016/10/07

シルマチスとルクヤヌク、ERC 2位を懸けて決戦へ

(c)ERC

 2016年のFIAヨーロッパラリー選手権は、今週末に開催されるキプロス・ラリーで幕を閉じる。ERCはすでに前戦のラリー・リエパーヤでポーランドのカイエタン・カイエタノビッチが2年連続のチャンピオンを獲得しており、キプロスの欠場を表明している。そのため最終ラウンドでは、アレクセイ・ルクヤヌクとラルフス・シルマチスによって勝利と選手権の2位の座を懸けた激しい争いが繰り広げられると見られている。

 シーズン当初は開幕戦ラリー・イスラス・カナリアスで優勝したルクヤヌクが今季を優位に進めるかに見えたが、彼は次戦のサーキット・オブ・アイルランドのテスト中にクラッシュしてしまい参戦を見送ったことがターニングポイントとなり、以降も不運に付きまとわれることになる。

 それに対して21歳の新鋭シルマチスはR5マシンのデビュー戦だったにもかかわらず、アクロポリス・ラリーでERC初優勝を飾り、選手権のトップランナーに名乗りを上げることになった。ルクヤヌクは、イープルでは初日の最初のSSでクラッシュ、次戦のエストニアでも最終日のクラッシュで優勝のチャンスを失うことになる。

 このエストニアではシルマチスが今季2勝目を獲得、さらに前戦ラリー・リエパーヤでは、最初から最後までラリーをリードして、英雄的な母国ウィンを獲得した。予算の制約のために三菱ランサーエボリューションをドライブしたルクヤヌクは、シルマチスの速さに匹敵することが出来なかったものの、2位でフィニッシュし、最終戦のキプロスを前に選手権の2位をキープした。しかし、ルクヤヌクの僅か2ポイント差までシルマチスは迫っている。

 2016年ERC第10戦として開催されるキプロス・ラリーは、金曜日の午後にリマソルでセレモニアル・スタートを切り、本格的な競技は金曜夜の現地時間19時33分にスタートする。三日間にわたり14SS/214.17kmで争われる。

 キプロス・ラリーの約60%はグラベル、約40%はターマックで構成されている。デイごとに路面が変わりセットアップとタイヤを変更するチャンスがあるラリーとは異なり、キプロスでは14SS中11のステージがグラベルとターマックの混合路面となっているため、マシンはラリーを通してグラベルのセッティングとタイヤで走ることになる。