APRC2016/08/07

ストールがチャイナ独走、シュコダ勢に不運続出

(c)APRC

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 アジア-パシフィック・ラリー選手権(APRC)第3戦ラリー・チャイナ・チャンイェーは6日土曜日にDAY1パート2を行い、デュポン・ラリーチームから出場しているマンフレッド・ストール(シトロエンDS3 R5)が5分12秒差をつけて独走状態を築いている。

 甘粛省の張掖(チャンイェー)に舞台を移して開催される今年のAPRCチャイナ・ラウンド。金曜日の2つのステージを終えて、ストールがチームMRFシュコダのガイラブ・ギル(シュコダ・ファビアR5)に対して7.8秒をリード、ラリーは土曜日からいよいよゴビ砂漠の本格的なタフなルートへと向かうことになる。

 この日は25.67kmのピン・シャン・フーと33.78kmのイン・ヘという2つのロングステージを2回ループする4SS/118.9kmの一日。オープニングステージのSS3ではチームMRFタイヤのファビアン・クライムがベストタイムで発進、初日24.8秒差の3位につけた彼は、17.6秒差の2位へと浮上することになる。いっぽう、コースオープナーとしてステージを一番手で走るストールは、路面掃除に苦しむもののどうにか首位をキープ。初日2位のギルは、このステージで10秒あまりをロスして18.8秒差の3位へと後退した。

 だが、ギルは次のSS4でストールに16秒もの差をつけるベストタイムを奪い、2.8秒差の2位へと迫ったものの、朝のループを終えても2台のシュコダをプライベーターのストールがリードする展開となる。

 しかし、昨年このラリー・チャンイェーで優勝した経験をもつストールに対して、シュコダの二人にとっては未経験のステージだ。さらに異常な高温となったこの日、午後のループでは、まさかの事態がシュコダ勢に襲い掛かる。それまで3位につけていたクライムがSS5の終盤でエンジンの異常を示すアラームによってマシンをストップ、さらには2位につけていたギルもSS6のパンクによって4分50秒をロスしてしまう。シュコダ勢の相次ぐトラブルによって堅実なペースで走りきったベテランのストールがギルに対して5分12秒という大差をつけて首位で最終日に臨むことになった。

「一番手でステージを走ったが、シトロエンDS3 R5は走りもよく、最高のフィーリングだった」とストールは語った。「明日もペースを変えずにフルスピードで最後まで走りきるよ」

 シュコダにとってはまさかの展開となったが、ギルは「タイヤの問題はあったが、まだ2位をキープできている。このまま完走できることを願うよ」と語っている。

 ギルの4分後方の3位には中国のワン・ファ(シトロエンDS3 R5)、4位にオーストラリアのイーライ・エヴァンス(シトロエンDS3 R3T)、5位に高山仁(スバル・インプレッサWRX STI)、6位にマイケル・ヤング(BYDハイブリッド)が続いている。

 併催されるCRCラリー・チャンイェーでは、マーク・ヒギンズ(スバルXV)がペースを上げて首位に迫る勢いをみせたが、フロントのサスペンション破損などで遅れたため、クリス・アトキンソン(VWゴルフSCRC)が1時間16分の大差をつけてリードしている。

 最終日の日曜日に残されたのは3SS/94kmだ。