WRC2018/08/17

タナクがSS1ベストタイム、ドイツを首位発進

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　2018年世界ラリー選手権（WRC）第9戦ラリー・ドイッチュランドは木曜日夜に行われたスーパーSSで開幕、トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームのオイット・タナク（トヨタ・ヤリスWRC）が2分11.2秒のベストタイムを奪ってラリーをリード、WRC2選手権のカッレ・ロヴァンペラ（シュコダ・ファビアR5）が0.1秒差の2番手タイムで続く波乱のスタートとなっている。

　ヴェンデリーノス公園に設けられた2.04kmの新しいスーパーSSザンクト・ヴェンデルは、無数のヘイベイルで仕切られたトリッキーなステージとなったため、WRカーにとっては狭く、トップ10のうち5台をR5マシンが占めることになった。

　多くのドライバーがシェイクダウンではグラベルからターマックの走りにうまくスイッチできないなかで、いきなりトップタイムを奪ったタナクは、ライバルたちと同様にこのタイトなオープニングステージでアンダーステアに苦しみ、ゴールした時点ではまだ後続のマシンを残していたため自身がトップタイムで初日を終えることに気付いていなかった。「アンダーステアがでてしまい恐ろしい思いをした。決してスーパーなスペシャルステージではなかった。このクルマにはコースが狭すぎるんだ。アンダーステアが多すぎたよ」

　しかし、タナクのあとから走ったセバスチャン・オジエ（フォード・フィエスタWRC）とともにティエリー・ヌーヴィル（ヒュンダイi20クーペWRC）も彼のタイムを上回ることができず、タナクが初日をトップで終えることになった。昨年のドイツでターマック戦初勝利を決めたタナクにとって、一年前からの続きともいえる首位をキープ、16ステージ連続して首位を走っていることになる。

　そのタナクに0.1秒差の２番手に迫ったのは、WRカーが走ったあとでコースインしたロヴァンペラだ。もちろんこれが彼にとってキャリア最上位のステージタイムとなる。

　さらに0.1秒差の3番手にはふだんは彼のチームメイトであるオーレ・クリスチャン・ヴェイビー（シュコダ・ファビアR5）が続いている。ヴェイビーは今回はプリントスポーツからの参戦となり、WRC2にはエントリーしていない。

　総合4位にはトップのタナクから0.4秒差のダニエル・ソルド（ヒュンダイi20クーペWRC）が続き、さらに0.2秒差のシュコダ・モータースポーツのヤン・コペツキ（シュコダ・ファビアR5）を挟んで、ヘイベイルに接触してドアミラーを失いながらも果敢な走りでオジエが総合6位、WRカー勢ではソルドから0.5秒差の3番手で続いている。

　首位から1秒差の総合7位には同タイムでクレイグ・ブリーン（シトロエンC3 WRC）とアンドレアス・ミケルセン（ヒュンダイi20クーペWRC）が並んだが、ミケルセンはステージエンドで首を振って不満そうな表情だ。「スタート前で待つように言われてクルマを止めたが、タイムカードを渡されてスタートまでわずか7秒で準備しなければならなかった。ラウンチコントロールを使えなかったんだ」

　また、選手権リーダーのヌーヴィルはタイヤのオーバーヒートに苦しんでタナクからは2秒遅れの総合13位、WRカー勢では7位でのスタートとなっている。

　ヤリ-マティ・ラトバラ（トヨタ・ヤリスWRC）はラウンドアバウトのストローベイルに接触してエンジンをストールしてしまう。「なぜだかわからないが、思ったほどマシンがスライドしなかったんだ」と語った彼は総合15位で初日を終えたが、それでもトップからわずかに2.6秒遅れにしかすぎない。

　一方で、マッズ・オストベルグ（シトロエンC3 WRC）はエンジンパワーに問題を抱えており、3.8秒遅れの20位と出遅れてしまった。