ERC2022/03/12

ツアイスがERCファフェの開幕ステージでトップに

(c)ERC

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 2022年ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)の開幕戦ラリー・セーハス・ダ・ファフェ・エ・フェルゲイラスは、11日金曜日の夜、ファフェ市街地のスーパースペシャルで開幕、チェコの新星エリック・ツアイス(フォード・フィエスタRally2)が最速タイムを叩き出して序盤からリードを奪った。

 夜9時を過ぎたにもかかわらずファフェの市街地ステージには数千人のファンが詰めかけた。コンクリート縁石で縁取られた滑りやすい石畳の道は、明日から始まるグラベルステージとはキャラクターがまったく異なるものだが、ツアイスは地元の英雄ミゲル・コレイア(シュコダ・ファビアRally2)を0.6秒引き離してトップとなった。

「誰もこのようなステージでは好きではないだろうし、ゴールできてよかったよ。でも、観客が集まってくれたし、本当に良かったよ」 とツアイスは語った。

 ツアイスは金曜日の午後、泥だらけのグラベルステージで行われた予選ではWRC2ジュニアで選手権を争うゲオルグ・リンナマエ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)に次いで2番手タイムを奪っており、ラリーが本格的にスタートする土曜日の朝は4番手のポジションからスタートすることになっている。

「明日は泥だらけになるだろうけど、僕はこのコンディションが好きだからとても楽しみにしているんだ。もし雨や霧、すべてがあったとしても、僕はそれが好きだからハッピーになれる。だから明日、外がどうなっているか見てみよう」

 コレイアから0.1秒差の3位につけたのはラリー・チーム・スペインのニル・ソランス(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)。ソランスから1.2秒遅れた4位には予選ステージでクラッチトラブルに見舞われたケン・トルン(フォード・フィエスタRally2)、0.1秒差の5番手タイムでポルトガルで6度のチャンピオンを誇るアルミンド・アラウージョ(シュコダ・ファビアRally2エボ)が続いている。

 ここをよく知る地元のアラウージョは予選は3番手タイム、明日もそれほどドライにならないと読んだのか、スタートオーダーセレクションで2番手のポジションで土曜日をスタートすることをチョイスしている。彼に続いてスタートを選択した予選4番手のニル・ソランスは明日、コースオープナーで走ることを決意しているが、はたしてこの選択は吉と出るだろうか。

 オープニングSSで6位となったのは、アラウージョから0.1秒差でシモーネ・テンペスティーニ(シュコダ・ファビアRally2エボ)が7番手が続き、トップ7がわずか1.4秒差にひしめいた状態だ。

 予選トップのリンナマエはスタートオーダーセレクションで真っ先に土曜日の走行順を選んだが、雨の影響がどこまで残るのかわからないため5番手からのスタートをチョイスしている。オープニングSSで彼は、チームMRFタイヤのノルベルト・ヘルツィグ(シュコダ・ファビアRally2エボ)と同タイムの7位となったが、路面がどれほど滑りやすいかについて過小評価していたことを認めた。

「理想的ではなかったよ。予想以上に滑ったからね。華やかに見えたかもしれないが、タイムをロスしてしまった。それでも、まあ楽しめたよ。本格的なラリーは明日からだよ」。

 チームMRFタイヤのシモーネ・カンペデッリ(シュコダ・ファビアRally2エボ)は、ドーナツターンでマシンをスライドさせてしまい壁に激突、7.4秒のタイムロスで22番手という不本意な滑り出しだ。

「スピードを落とせなかった。ブレーキをかけると、すごく滑りやすくなっていて、まるでアイスバーンのようだった。最大限の努力をしたことは確かだが、本当に申し訳なく思う」とカンペデッリは首をうなだれた。

 また、カーナンバー1を付けて開幕戦に臨んだチームメイトのエフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビアRally2エボ)は、マシンに原因不明のトラブルが発生し、右ヘアピンでエンストし、10秒以上の遅れをとってしまい、28番手という悲惨なスタートを切ることになった。

「わからない。正直なところ、原因はよくわからないよ」とヤレーナは答えた。彼は土曜日の走行順を決定する予選ステージでも難しい走りを強いられており、17番手という後方からのスタートとなってしまっている。「確かにギャンブルになるだろう。雨が降れば大混乱になる。でも、もし雨が降らなかったら、きっといいポジションになるだろう。17番手がベストかもしれないし、天候次第でどうなるだろうね」

 ラリー・セーハス・ダ・ファフェは明日の土曜日、ファフェの北東に位置する15.05kmのボチカス・ステージから本格的な戦いがスタートする。