WRC2018/05/18

トヨタ、アルゼンチンの再現に自信

(c)Toyota

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 トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームのチーフ・エンジニアを務めるトム・ファウラーは、ラリー・デ・ポルトガルのシェイクダウンでチームの3名のドライバー全員がヤリスWRCのセットアップに良いフィーリングを感じ、事前のテストで決めたセットアップをほとんど変更することなく走行を終えたと語るとともに、前戦ラリー・アルゼンチンでの速さをここでも再現できると自信をみせた。

 17日木曜日の朝に行われたシェイクダウンではヤリ-マティ・ラトバラがトップタイムをマークし、その夜にロウサダのラリークロスコースで行われたSS1では大勢の観客が見守るなか、オット・タナクがベストタイムを記録しており、チームにとっても幸先の良いスタートを切っている。

 チーフ・エンジニアのファウラーは、金曜日から始まる本格的なラリーを前に次のように語った。

「シェイクダウンは充実した内容だった。クルマのペースはとても良く、信頼性に関する問題は何も起こらずすべてが本番にむけて予定通りに進み、準備は万全にできている」とファウラーは語った。

「ラリー直前のテストも非常に上手く行き、ドライバーたちはクルマのセットアップにとても自信を持っており、シェイクダウンでも変わらぬ良いフィーリングが得られたようだ。3人のドライバーは連続して走行し、サービスパークに戻って来た時にはデータのチェックのみを行なうだけだった」

「ポルトガルは、前戦アルゼンチンとやや異なる部分もあるが、クルマのセットアップに関してはかなり似ているので、ほんの僅かな変更を施すことで、アルゼンチンで示した良いパフォーマンスを再現することが可能だと思っている。チーム全員がこのラリーに自信を持っているよ」

 スーパーSSを制して、前戦に続いてリーディングポジションを守った恰好のタナクだが、ラリーの鍵になるのは金曜日のステージだと気を引きしめていた。

「ラリーのスタートに相応しい素晴らしいスーパーSSだったが、僕らにとって最大のチャレンジは明日の金曜日だ。ステージは多くの滑りやすいルースグラベルに覆われているので3番手からのスタートはチャレンジになるが、土曜日に良い出走順を得るためにもベストを尽くさなければならない。ポルトガルのステージは非常に高速で流れるようなコーナーが多く、僕らのクルマに合っている。自信を持って戦いたいよ」

 一方、シェイクダウンでトップタイムを奪う速さをみせたラトバラは、スーパーSSではエンジンをストールする問題に見舞われたが、心配はしていないと語っている。

「スーパーSSでは最後のヘアピンで少しタイムロスをしたが、そう気にするほどではない。シェイクダウンではセッティングを変えることなく3回連続で走り、ファステストタイムを記録、セットアップの正しさを確信しているし、とても前向きな気持ちでラリーのスタートをきることができた。クルマのフィーリングは最高だし、自分としては、このラリーが今シーズンのターニングポイントとなることを願っているよ」

 また、昨年のポルトガルでWRカーデビューを果たしたエサペッカ・ラッピは、2回目の挑戦の今年はハードに攻めてみたいとスタート前に語っている。

「ポルトガルは去年初めてWRカーで出場したラリーで、今回は2度目の挑戦となるので、去年よりもさらにハードに攻めてより良いリザルトを残したいね。スーパーSSでは、大勢の観客の前を走り最高の気分だし、クルマのセットアップにもとても満足している。順位は7位でしたがトップタイムとはたった1秒差だったので、自分にとってはこれまでのところベストなシェイクダウンだね」