WRC2018/04/21

トヨタ、苛酷なアルゼンチンでヤリスの進化を試す

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームのトミ・マキネン代表は、来週のラリー・アルゼンチンでは昨年よりはるかに進化したヤリスWRCがライバルたちとスタート直後から素晴らしいバトルを演じることになると確信している。

 ラリー・アルゼンチンは、アルゼンチンは南半球に位置するため、4月下旬は秋の始まりとなり天気はやや不安定だ。雨が多く降る年もあり、山岳地帯では濃い霧が出たり、雹(ひょう)が降ることもある。コースはグラベルだが非常にバリエーション豊かで、谷間のステージは全体的に高速で、路面が軟らかいところでは2回目の走行で深い轍(が大きな問題となる。また、山岳地帯のステージの多くはコースサイドに大きな岩が迫り、路面には石や岩が多く散らばっているため、クルマはダメージを受けやすく耐久性の高さも重要となる。

 トヨタはハードな戦いとなった昨年のアルゼンチンでは、ヤリ-マティ・ラトバラが好スタートを切りながらエンジン温度の上昇とパンクに見舞われタイムロスして6位に終わっている。ラトバラ、オット・タナク、エサペッカ・ラッピの3台体制でアルゼンチンに挑む今年について、マキネン代表は、今年はさまざまなコンディションの変化に対してもヤリスがうまく機能してくれると信じている。

「チームは昨年、初めて出場したラリー・アルゼンチンからはもちろん、これまでのラリーから多くを学んでおり、今年は昨年以上に良い戦いができるのではないかと確信している。我々のクルマは常に進化しているし、2回目の今年では1回目よりも有利に戦いを進めることができるはずだ。とはいえ、ライバルも以前より速さを増しているので力関係に大きな差はなく、きっとスタート直後から素晴らしいバトルとなるだろう」

「我々はイタリアのサルディニア島で事前テストを行なった。なぜならヨーロッパにおいてサルディニアの道はもっともアルゼンチンに近いコンディションであるからだ。アルゼンチンでは多種多様な路面と対峙します。軟らかい路面もあれば、硬い路面もあり、岩や石が転がる荒れた路面、そしてクリーンな路面も走行する。それらすべての路面に適応することは、我々にとって最大の挑戦となるだろう。最新の改善が狙い通りに機能し、コンディションや環境の変化にクルマが上手く対応し強さを発揮してくれることを期待している」

「チームのドライバーたちは皆、アルゼンチンを楽しみにしているが、私も現役時代にここは大好きなラリーのひとつだった。とても難しく大きなチャレンジだが、同時に心から走りを楽しめるラリーだったという記憶がある」

 ラリー・アルゼンチンは26日(木)の夜に行われる1.9kmのスーパーSSビージャ・カルロスパスでスタートする。