WRC2021/08/24

ヌーヴィル、まだオジエとタイトルを争える

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィルは、母国ベルギーで行われたイープル・ラリー・ベルギーの勝利によってまだドライバーズ選手権でセバスチャン・オジエと十分に戦える状況になったと語った。

 ヌーヴィルは、優勝目前まで迫っていたサファリ・ラリーをリタイアした時点で選手権ではオジエから56ポイント差と大きく離れてしまったが、その後、エストニアとベルギーでオジエを破り、今季残り4ラウンドとなった現時点でエルフィン・エアヴァンスと並びオジエの38ポイント差まで追い上げている。

 昨年のラリー・モンテカルロ以来、1年半ぶりのWRC優勝を飾ったあと、今シーズンのパフォーマンスがタイトル争いのレベルに達していると感じているかと尋ねられたヌーヴィルは、次のように答えた。

「ベルギーで1-2フィニッシュを獲得できたこと、そしてドライバーとマニュファクチャラー選手権での差を縮められたことはとても重要なことだ。そして僕らが週末を通して非常に強かったという意味でもね。僕たちの調子は良い。これは僕たちが待ち望んでいた勝利だ」

 ヌーヴィルは、サファリ・ラリー・ケニアをリードしているときにサスペンションが故障してリタイアしていなければ、選手権ではさらにオジエに迫っていた可能性もあると語った。

「これまでは結果が伴わないこともあったが、それがなければもっと強力なシーズンになるはずだった。ケニアでは運がなかったが、もし、そこでの良い結果があり、ここでの勝利を組み合わせることができれば、オジエのすぐ後ろにいることができただろう」

 ヌーヴィルにとっては不可解なサスペンション破損に見舞われたケニアとともにペースノートの問題から激しくクラッシュしてしまったポルトガルも悔やまれる結果となったが、この2戦を除けば、彼は今季の8ラウンド中6回の表彰台を達成している。

 ヌーヴィルは、アクロポリス・ラリーに向けて、オジエのやり方と同様に、強い決意とともに勝利を目指し、それが不可能な場合は次の順位に甘んじるというアプローチを取る構えだ。

「僕たちが2番手の出走になるのか3番手からのスタートかはわからないが、路面の掃除は厳しくなるだろう」とヌーヴィルは語った。「エルフィンと僕は今、ポイントで同点だからね」

「(勝てるかどうか)見てみよう。もちろん、目標はいつものようにベストを尽くすこと、そして、少しオジエのやり方を採り入れることだ。勝利を目指して、それがうまくいけばそれに越したことはないし、うまくいかなくても得られる最善のものを得る」

 仮定の話をすることは常に危険だが、今や、オジエも肩越しにヌーヴィルの猛追を懸念していることだろう。エヴァンスはイープルをオジエよりも上の順位でフィニッシュしたにもかかわらず、オジエよりもパワーステージでのボーナスポイントが少なかったことから、彼の遅れはさらに拡大しており、オジエがエヴァンスより勢いのあるヌーヴィルをより脅威として捉えるのは自然なことだ。