ティエリー・ヌーヴィルは、クロアチア・ラリーの初日の朝、シケインをミスしてコースを外れたためペナルティを課されて首位を失う可能性があったが、スチュワードはミスは意図的でなかったと判断、彼はトップで土曜日をスタートしている。
ヌーヴィルは金曜日の朝、ストイドラガ〜ハルティエの終盤に設けられたヘイベイル(干し草)で作られたシケインの手前でブレーキを掛けたが、ブレーキが間に合わずに連続する2つめのシケインに正面から衝突しそうになっている。彼はフロントスポイラーを軽く接触しながらベイルの左側からコース脇の草むらに逃げてどうにか激突を回避、このステージでベストタイムを奪ってラリーをリードすることになった。
だが、この2つめのシケインは本来はベイルの右側を通過することがロードブックで指示されていたため、ヌーヴィルは10秒のペナルティが課される可能性があった。
スチュワードの文書によれば、スチュワードミーティングに召喚されたヌーヴィルは、広いと思い込んでいたためシケインの入り口が実際には狭く、それに気づくのが遅れたために2つめのシケインのターンが間に合わなくなったと説明、コドライバーのマルティン・ウィダーゲもレッキ中には正しいシケインの位置が示されていなかったため混乱があったと付け加えている。
ヒョンデ・チームマネージャーのトルガ・オザキンチは、ヌーヴィルとエサペッカ・ラッピの走行データを提出、ヌーヴィルはここで2.46秒のタイムロスをしていたと説明、シケインのカットで有利になった事実はないと釈明、ベイルへの衝突を避けるためにコースを外れて芝生に滑り落ちたのは、シケインのショートカットを意図した行為ではなかったと説明している。
こうしたことから、スチュワードはこれが意図的なシケインカットではなかったと判断し、ヌーヴィルにタイムペナルティなどの措置を取らないことを決定したと報告している。